ガン保険に通院保障は必要?選び方や必要性を解説

掲載日:2020/04/03   更新日:2023/03/13

病院の待合室の画像

通院によるガン治療が増えていることから、入院保障よりも通院保障に重きを置いたガン保険が増えています。しかし、保障の対象となる通院には条件があり、どんな通院でも保障されるわけではありません。現在のガン治療の実態を踏まえて、通院保障を検討する前におさえておきたいポイントを整理しましょう。

この記事のポイント

  • 医療技術の進歩により、通院で治療するケースが増えている
  • 通院保障には3つのタイプがある
  • 通院保障は給付金の支払条件をよく確認する

1.通院での治療が増えている!最近のガン治療とは?

外来と入院の患者数推移 *受療率:推計患者数を人口10万対であらわした数
受療率(人口10万対)=推計患者数/推計人口×100,000
出典:厚生労働省
*受療率:推計患者数を人口10万対であらわした数
受療率(人口10万対)=推計患者数/推計人口×100,000
出典:厚生労働省
出典:厚生労働省「平成29年(2017年)患者調査」

ガンというと「長く入院をして治療する病気」という印象を持っている方が多いでしょう。上のグラフを見ると、たしかに2002年頃まではガン治療は入院を伴う割合が多く、通院の割合は少ないことがわかりますが、2005年を過ぎた頃から通院でのガン治療が増えていることがわかります

1-1.通院による治療が増えている要因

ガンの3大療法

通院での治療理由のひとつとして、医療技術の進歩が背景にあります。ガンの三大治療(標準治療)である「手術療法」「放射線療法」「化学療法(抗ガン剤治療)」は、ガンと診断されたら、まず勧められる治療法です。

かつてガン治療には入院が伴う手術療法が一般的でしたが、今では外来で行える放射線治療や、抗がん剤などの化学治療が主流に。また、医療技術が進歩していることで、手術を伴う入院も期間が短くなってきています。そのため、ガン保険も従来の「入院」を重視した保障内容から、「通院」や「治療」を重視した内容のものにシフトしてきています。

1-2.通院治療のメリット・デメリット

通院治療は日常生活を送りながらガンと闘えるのがメリットですが、長期間の治療となることが多いのがデメリット。ガンの種類・ステージ・治療の目的などによって治療の進め方は異なるので一概にはいえませんが、放射線治療であれば平日毎日の通院が数週間~数ヶ月、抗ガン剤治療であれば週1回~月1回程度の通院が最低でも3ヶ月以上必要になるとされています。

通院が多く長期間になるほど、医療費や交通費がかさみます。また、自宅から遠く離れた医療機関へ通うのであれば、宿泊費などもかかってくる場合があります。

当然交通費や宿泊費は全て自己負担となってしまうため、経済的な負担も大きくなるかもしれません。さらにガンの治療中は、仕事を休んだり時短勤務に変えたりと、普段通りの働き方より収入が減ることも予想されます。こういった費用や収入の減少に対処するために、貯蓄やガン保険などをあらかじめ備えておくと、安心して治療に専念できるのではないでしょうか。

2.ガン保険の通院保障とは?

ガン保険の通院保障とは、ガン治療を目的に通院した場合、日数に応じた給付金を受取ることができる保障のこと。保障内容に含まれている場合もありますが、オプション(特約)として用意されているのが一般的です。

しかし、通院の定義が商品によって異なるので注意が必要。主に「退院後の通院を保障するタイプ」「入院前後の通院を保障するタイプ」「入院しなくても通院を保障するタイプ」の3種類に分けられます。いずれも、通院を金銭的にサポートしてくれるという点では同じですが、保障が受けられる対象期間などの条件が少し異なります。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

2-1.退院後の通院を保障するタイプ

退院後の通院を保障するタイプ

このタイプは、ガンの治療のために入院をした後の通院治療が保障の対象になり、給付金は退院後に通院をした日数ごとに日額で受取ることができます

「通院の前にガンの治療のために入院をしたかどうか」という点が重要で、入院をせずにはじめから通院のみで治療をしていく場合は保障の対象にならない可能性があります。また、保障される期間や支払限度日数は制限があるため、保険会社ごとに確認しておく必要があります。

2-2.入院前後の通院を保障するタイプ

退院後の通院を保障するタイプ

こちらは退院後だけでなく、入院前の通院についても保障の対象になります。前述と同様に入院をしたことが条件で、こちらも給付金は通院をした日数ごとに日額で受取ることができます。

ガンと診断されても次の日からすぐに入院が始まるわけではなく、今後の治療に向けての検査や、通院による治療を行ってから入院するケースもあります。その場合、ガン治療のための通院であっても「退院後の通院を保障するタイプ」では入院前に要した通院は保障の対象になりませんが、こちらのタイプであれば入院前も退院後の通院も両方保障の対象になります。

チューリッヒ生命の「終身ガン治療保険プレミアムZ」の通院保障の特約は、こちらの入院前と退院後の通院を保障するタイプとなっています。通院以外にも、所定の治療や自由診療、先進医療やガンの診断など、幅広いガン治療に対応できるのが特徴です。

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2-3.入院なしでも通院を保障するタイプ

退院後の通院を保障するタイプ

「退院後の通院を保障するタイプ」と「入院前後の通院を保障するタイプ」は、入院をしなければ通院給付金は出ませんでしたが、こちらは入院の有無に関係なく、ガンの治療を受けるための通院であれば、通院日数×日額の給付金を受取ることができます

ガンの種類やステージによっては、通院のみで治療を行う場合もあります。通院のみの治療に備えたい方は、入院することが通院保障の支払条件になっていない商品を選択するするとよいでしょう。

3.通院保障を選ぶときのポイント

電卓と保険金

退院後の通院を保障してくれるのか、入院前後の通院を保障してくれるのか、それとも入院の有無に関係なく通院を保障してくれるのかを確認する以外にも、ガン保険の通院保障を検討するときは以下の3つの条件も確認するようにしましょう。

3-1.対象となる治療内容

保障の対象となる治療内容についても保険会社によって異なります。

抗ガン剤治療やホルモン剤治療、放射線治療などを受けるための通院もあれば、経過観察のための通院もあります。いざガンの治療を行うとき、予定していたよりも保障が受けられなかったとならないよう、加入前にどのような内容の通院や治療であれば保障の対象になるのか確認しておきましょう

保険診療の治療なら基本的には通院保障の対象となりますが、自由診療の治療は対象外になっている場合があります。また、治療が目的ではない通院(経過観察など)だと通院保障の対象外になるのが一般的です。

例えば、欧米で承認されていても、日本では未承認の抗ガン剤やホルモン剤による治療は保険適用外のため全額自己負担となります。保険診療の場合であれば1~3割の自己負担で済みますが、このように治療の選択肢を広げると、自己負担が大きくなる可能性があることを覚えておきましょう。

ガンになったとき、保険適用外の治療も取り入れたいと考えている方は、保険適用外の治療を受けるための通院でも給付金が出るかどうかが保険選びのポイントとなります。

3-2.保障される通院期間

入院が給付金の支払条件になっている場合は、入院前後の何日以内の通院を保障してくれるのかを確認しましょう。

例えば、入院前と退院後の通院を保障するタイプのガン保険で、入院前60日以内かつ退院後365日以内の通院を保障するという内容であれば、入院の61日以上前と退院後366日以降は通院期間に該当しないことになり、保障の対象になりません。

通院のみでも給付金が出るタイプであれば、初めてガンと診断されたとき、ガンの所定の治療を受けたとき、退院日のいずれかから365日以内を通院期間とする、といったようなものがあります。

通院治療が長期化した場合も想定して、保障期間はどのくらいか確認するようにしましょう。

3-3.給付金が支払われる限度日数

保障期間内の通院についても、給付金が支払われる限度日数が決められています。

支払限度日数は通算60日間、通算120日間などが一般的ですが、特定のガン治療のための通院であれば支払限度日数は無制限となっているものもあり、さまざまです。

治療が長くなるほど経済的な負担が大きくなりやすいことから、長期の通院を不安に感じる方も多いのではないでしょうか。支払限度日数が短い場合、いよいよ通院保障の必要性が強まってきたというときに給付金が途絶えてしまうこともあり得ます。そのため、ご自身が十分だと思える限度日数かどうかも重要なチェックポイントとなります。

4.時代に合ったガン保険選びを!

ガンの治療は昔と今で大きく変化しています。 昔のガン保険に加入しているという方であれば、通院治療に対する保障が不十分だったり、現代のガン治療に対応できていない可能性もあったりするため、ぜひこの機会に今入っているガン保険がどのような内容になっているか確認しておくとよいでしょう。今のガン治療の現状に合わせて、もしものときにしっかりサポートしてくれるガン保険を選びましょう。

※上記は一般的な内容です。保険の種類や呼称、保障内容等は商品によって異なりますので、実際にご加入いただく際は商品詳細をご確認のうえご契約ください。

【執筆・監修】

さくま みどりの写真

佐久間 翠(さくま みどり)

ファイナンシャルプランナー/ライター。証券会社のオペレーターや生命保険会社でファイナンシャルアドバイザーを務める。その経験を活かして、2016年からフリーライターとしてマネー系記事を中心に執筆。

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