病歴があってもがん保険には入れる?告知はどこまで必要?

掲載日:2021/06/04   更新日:2026/04/08

問診表と聴診器の画像

「過去に大きな病気にかかった人は保険に入れない」という話を聞いたことはないでしょうか。しかしながら、病気になったことがある人こそ保険に加入したいという気持ちは強くなるものです。今回は過去に病気になったことがあっても、がん保険に加入できるかどうかについて解説します。

この記事のポイント

・がん保険はがんを患った場合に手厚い保障が受けられる

・がん保険は加入時に「年齢」「持病」などの告知事項がある

・持病があっても保険へ加入することは可能

1.がん保険の告知内容とは

がん保険の加入時には、がんに関連する既往歴や現在の健康状態について、保険会社に正確に申告する「告知」が必要です。具体的には、過去にがん(上皮内新生物も含む)と診断された経験の有無、現在がんと診断され治療中であるか、またはがんの疑いで検査や診察を受けているかなどが主な告知項目です。これらの情報は、保険会社がリスクを適切に評価するために不可欠であり、正確な告知が契約を円滑に進める鍵となります。

1-1.生命保険の告知内容との違い

生命保険(※この記事では、人の命や生活に関わるさまざまな出来事に対して備える民間保険の中から、死亡保険のことを「生命保険」と称しています)の告知内容は、がん保険と比べてより広範な健康状態や既往歴を問われる点が特徴です。生命保険は死亡や高度障害状態など幅広いリスクを保障するため、がんだけでなく心臓病、糖尿病、高血圧といった多様な疾病やケガについて告知が求められます。

一方、がん保険の告知は「がん」に特化しているのが特徴です。過去に盲腸の手術を受けた、骨折をしたといったがんと無関係な病歴については、通常問われないか、問われたとしても保険に加入できる場合が多いです。がん保険では、がん(上皮内新生物)検査での異常指摘などに重点を置くことで、がんの発症リスクを的確に判断できるよう設計されています。

2.がん保険は病気でも入れる?告知ってどこまで必要?

がん保険は、過去に病気になったことがある方でも加入できる場合があります。詳しく見ていきましょう。

2-1.がん保険の加入条件

がん保険に加入するためには「年齢」や「過去の病歴」など、保険会社が定める一定の条件をクリアする必要があります。加入できる人の条件や基準は、保険会社によっても保険の種類によっても違います。

加入できる年齢は「0歳~満85歳まで」「満6歳~満75歳まで」のように決められていて、幼い子どもや特に高齢の方は加入できない場合があります。年齢の条件はパンフレットなどに記載されていますので、気になる保険を見つけたら初めに確認しておきましょう。

年齢以外にポイントとなるのが「告知」の内容です。職業、過去の病歴、現在の通院状況など保険会社が指定する内容を申告しますが、申告内容によっては保険の加入を断られてしまう場合があります。

2-2.告知はどこまで必要?

過去に大きな病気をしたことがある方や持病がある方にとっては、この「告知」が非常に重要です。保険会社はこの告知書の内容で保険に加入できるかどうかの審査を行うため、漏れがないよう正確に申告するようにしましょう。告知書には以下のような質問があります。

【例】

・最近3ヶ月以内に、医師(歯科医師も含む)から入院・手術・先進医療のいずれかをすすめられたことがありますか?

・過去2年以内に、病気やケガで入院をしたこと、または手術を受けたことがありますか?

・過去5年以内に、ガン・上皮内ガン(高度異形成も含む)、肝硬変、統合失調症、認知症、アルコール依存症で、医師師(歯科医師も含む)の診察・検査・治療・投薬のいずれかを受けたことがありますか?

がん保険の告知はあらゆる病気やケガを対象とする医療保険と違い、過去に病気の経験があった場合や現在通院中の場合でも、「がん」や「がんに関連する病気」によるものでなければクリアしやすい傾向があります。

また、過去にがんにかかったことがある人はがん保険に加入しにくくなりますが、なかにはがんにかかったことがある人専用のがん保険も存在しますので、そちらを検討してみましょう。

2-3.「告知義務違反」をしないように注意!

告知義務違反とは、正確な病歴を申告しなかったりウソの申告をしたりする行為のことです。

保険会社は給付金の支払いの際、過去の治療歴などを確認することができます。もし告知義務違反が判明すれば、「給付金を支払うことができない」「保険契約を解除されてしまう」などの対応になってしまう場合があります。悪質な告知義務違反の場合、詐欺罪として法的責任を問われる可能性もあるため、注意が必要です。

もしがんと診断されたときに告知義務違反が判明して給付金が受け取れないとなれば、「今まで毎月保険料を支払ってきたのに、いざというときにお金を受け取れず、別の保険に加入しようにもすでに病気が発覚済みで加入できない…」と、何のために保険に加入していたのかわからない状態になってしまいます。

わざとウソを申告した場合はもちろんですが、「通院したことをすっかり忘れていた」「あとで書こうと思って、告知の記入を飛ばしたまま提出してしまった」というようなうっかりミスでも影響することがあります。その場合は思い出した時点ですぐに保険会社に連絡をすれば追加の告知ができます。告知書を記入する際は丁寧に漏れなく、忘れている内容がないか確認して正確に記入するようにしましょう。

2-4.がん保険の「免責期間(不てん補期間)とは

がん保険に加入するうえで知っておきたいのが「免責期間(不てん補期間)です。多くのがん保険では、加入後90日間(または3ヶ月間)の保障されない期間があります。これを「免責期間」と言い、この期間内にがんと診断された場合は給付金が受け取れず、保険契約も無効になります。

なぜこの免責期間があるのかというと、例えば自覚症状のある人や、がんの疑いの指摘を受けている人が急いでがん保険に加入し、すぐにがんと診断確定されて給付金が受け取れてしまうと、健康な状態を条件に加入した人との間の公平性が損なわれてしまいます。こうした契約者間の公平性を保つために、がん保険では「免責期間」を設けているのです。

3.持病や既往歴のある人向けの保険

問診しているイメージ

がん保険は持病や既往歴がある方でもその病気が、がんに関連するものでなければ加入できる場合があります。

3-1.一度がんになるとがん保険加入は難しくなるが、不可能ではない

通常のガン保険に加入できない方でも、「がんにかかったことがある人専用のがん保険」などであれば加入できる可能性があります。

「がんにかかったことがある人専用のがん保険」を提供している保険会社は複数あり、告知内容や加入できる基準はそれぞれ違いますが、例えば「過去5年以内にがんの診断や治療を受けたことがありますか?」のような質問があります。

こうした保険では通常のがん保険とは違い、がんにかかったことがあっても最後に治療を終えてから数年経っていれば加入できるケースが多くなっています。

ただし、過去にがと診断されたことのある方向けの保険は、通常のがん保険よりも保険料が割高で保障内容が小さいという特徴があります。いざというときに受け取れる金額と保険料のバランスを見ながら検討しましょう。

3-2.ガン治療後、ある程度の期間が必要

がんと診断されたことのある方用のがん保険は通常のがん保険よりは加入しやすいですが、それでも現在がんで通院中の方や、がんと診断済みでこれから治療が始まるといった段階の方だと加入できないことがほとんどです。

また「無選択型」といって告知なしで誰でも加入できる医療保険もありますが、こちらも保険料は高額で、多くの無選択型医療保険では、がんに関する保障が制限されている、または対象外となっています。毎月の家計の収支や現在の貯蓄額、今後の治療方針や必要な治療費の見込みなども考慮し、加入すべきかどうかを判断しましょう。

4.がん保険加入時によくある質問

がん保険や生命保険に関してよく寄せられる質問を取り上げ、解説します。加入前に知っておきたい告知や調査の仕組みを理解することで、不安を減らし、納得して契約を進められるでしょう。

4-1.がん保険では既往歴をどこまで調べられますか?

がん保険で確認される既往歴は、主に過去数年分の病歴や検査結果に限定されます。多くの保険会社では、過去5年以内の診断歴・治療歴、過去2年以内の健康診断や人間ドックの結果が対象です。これらは自己申告に基づきますが、給付金請求時には被保険者の同意を得たうえで医療機関へ照会を行う場合があります。

そのため、過去の通院や治療内容が判明する可能性があります。もし告知内容と実際の事実に差異があれば、告知義務違反とみなされる場合もあるため、加入時は正確な告知を心がけましょう。

4-2.告知書の記入で注意すべきポイントは何ですか?

告知書を記入する際は、質問文をよく読み、何を問われているのかを把握し、すべての項目を正しく記載することがポイントになります。「過去5年以内」「がんに関する」など、期間や対象疾病が限定されている場合がありますので、その範囲を確認してから記入を始めると漏れを防げます。

通院歴や検査結果についての記憶が曖昧な場合は、自己判断で記入せず、医療機関に問い合わせるか、お薬手帳などの記録を見直しましょう。記入方法に迷う場合は、保険会社のコールセンターへの問い合わせをおすすめします。匿名での相談も可能ですので、気軽に確認ができます。

記入が完了したら、提出前に必ず見直しを行い、漏れやミスがないかを確認してください。不安な点があれば、ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談するのも良いでしょう。

5.まとめ

過去に病気を経験した方や持病がある方でも、がん保険への加入をあきらめる必要はありません。近年は、既往歴がある方でも申し込みしやすいがん保険が増えており、条件を満たせば保障を受けられる可能性が広がっています。

不安な点がある場合は、自分だけで判断せず、保険会社や専門家への相談をおすすめします。がん治療の費用に備えたい場合は、病歴を正直に申告し、自分に合ったプランを見つけることが大切です。

※記載の内容は、2026年2月現在の情報に基づいています。

※上記は一般的な内容です。保険の種類や呼称、保障内容等は商品によって異なりますので、実際にご加入いただく際は商品詳細をご確認のうえご契約ください。

【執筆・監修】

おりせ ゆりの写真

織瀬 ゆり(おりせ ゆり)

元信託銀行員。AFP・ 2級FP技能士をはじめ、複数の金融・不動産資格を所持。それらの知識をもとに、「初心者にもわかりやすい執筆」を心がけている。2児の子育て中でもあり、子育て世帯向けの資産形成、女性向けのライフプラン記事を得意とする。

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