ガン保険の乗り換えタイミングはいつが良い?注意すべきポイントとは
掲載日:2021/02/10 更新日:2025/08/08

ガン保険は、がんの治療費の負担を軽減するために役立つ保険ですが、治療法や保険商品の進化に伴い、加入時のプランがその後も最適であるとは限りません。そんなときに選択肢となる「乗り換え」は、適切なタイミングでなかったり、保障内容の確認を怠ったりすると、思わぬ問題が起こることもあります。
このコラムでは、乗り換えが必要な理由や最適なタイミング、注意すべきポイントを解説します。
- 医療の進歩やがんリスクの変化に合わせて適した保障も変化する
- 生活状況に変化があったときや保険契約の更新時期などが乗り換えタイミング
- 「免責期間」や「保障対象とならないケース」に注意する
目次
1.ガン保険を乗り換えるべき理由とは?
まず、なぜガン保険を乗り換える必要があるのか、医療の変化や年齢・性別によるリスクの変化の面から、その理由を考えていきましょう。
1-1.がん治療が変化しているから
近年、がん治療のスタイルが大きく変わっています。

※出典元:厚生労働省「令和2年患者調査」をもとに作成
上のグラフを見ると、約20年前と比べて、治療の中心が「入院」から「外来(通院)」に移っていることがわかります。
また、入院期間も大幅に短縮されています。

※出典元:厚生労働省「令和2年患者調査」をもとに作成
以前は1ヶ月以上入院するのが一般的でしたが、現在は20日を切るまでに短縮されています。これは、医療技術の進歩によって短期間で治療を終えられるケースが増えたことを意味します。
これらの変化によって、何十年も前のガン保険では最新の治療に十分に対応できない可能性があります。特に、入院保障を重視した保険では、通院治療に対する保障が不十分かもしれません。そのため、現在の治療スタイルに合った保険商品への見直しが必要です。
また、がん治療における自由診療の選択肢も増えてきています。ただし、自由診療による治療は全額自己負担となるため、費用が高額になるケースもあり、経済的な準備が必要です。このような背景から、自由診療に対応した保障が含まれるガン保険の重要性が高まっています。
1-2.年齢や性別によって適したプランが異なるから
年齢や性別により、がんの罹患リスクは異なります。下のグラフを見ると、年代ごとで男性と女性でがんにかかる人数に大きな違いがあることがわかります。

※出典元:国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(全国がん登録)をもとに作成
30代から50代にかけては、乳がんや子宮がんといった女性特有のがんの影響で、女性の罹患数が男性を上回る傾向です。一方、60代以降では男性の罹患数が急増し、70代を超えると女性を大きく上回ります。これは、男性特有のがん(前立腺がん)や、肺がん、胃がんのリスクが高齢になるほど増加するためです。
このように、性別や年齢によってがんのリスクや種類が異なるため、適切な保険プランも変わります。20~30代の女性であれば、通院で治療をすることが多い乳がんや子宮がんに重点を置いた保障が適しており、通院保障や診断一時金が充実したプランを選ぶことで、通院による治療に備えられます。中高年の女性では、乳がん以外にも大腸がんなど他のがんのリスクも高まってくるため、診断一時金や長期の入院費用を手厚くカバーされる保障を選んでおくと安心です。
男性の場合、女性と比べると若年層ではがんの罹患率が比較的低く、必要最低限の保障で十分な場合もあります。しかし、40代以降では肺がんや消化器系がん(胃がん、大腸がんなど)のリスクが増加し、60代以降では前立腺がんや肺がんのリスクも増えていきます。これらのリスクに備えるために、診断一時金、入院保障、放射線治療や先進医療の保障など、まんべんなく備えられるプランを選んでおくと安心です。
現在加入中の保険が、性別や年齢の変化に伴うがんのリスクに十分対応していない場合は、保障内容を見直し、ニーズに合ったプランへの乗り換えを検討してみましょう。
2.ガン保険の乗り換えタイミング

ガン保険を見直す・乗り換えるタイミングは、健康状態や生活状況の変化、保険契約の更新時期など、さまざまなきっかけによって訪れます。ここでは、4つのタイミングについて解説します。
2-1.健診で異常が見つからなかったとき
ガン保険に加入する際、健康状態は重要な審査項目となります。健診で異常が見つからなかった場合は、一般的には健康状態が良好と判断されやすいため、保険の見直しや乗り換えを検討する適切なタイミングといえます。
2-2.加入からしばらく経過したとき
医療技術やがんの治療法は日々進化しています。その結果、以前に契約したガン保険では、現在の治療や状況を十分にカバーできない可能性があります。また、同じ保険料でより充実した保障が得られる新しい保険商品が登場していることもあります。 契約から数年が経過している場合は、保障内容を見直し、新しい商品への乗り換えを検討する良いタイミングです。
2-3.ライフステージの変化があったとき
結婚、出産、子どもの独立、転職、退職といったライフステージの変化は、保険を見直す重要なきっかけになります。家族構成が変われば、必要な保障内容も変化します。また、収入の増減に伴い保険料の負担感や求める保障内容も変わるでしょう。
ライフステージが変わるときは、ガン保険だけでなく、全体的に保険を見直す良い機会です。現在の生活に合った保障を備えられているか確認し、過不足があれば見直しを検討しましょう。
2-4.保険の更新時期が近づいたとき
定期タイプのガン保険は、更新時の年齢で保険料が再計算されるため、一般的に保険料が上がっていきます。更新後の保険料と同じくらいの保険料負担で、より充実した保障内容の保険商品が登場している場合もありますので、このタイミングで他の保険と比較しておくと良いかもしれません。
更新後の保険料や保障内容を確認し、必要に応じて乗り換えを検討することで、その時の自分に合った保険を選び直すことができます。
3.ガン保険の乗り換えで失敗しないための注意点

ガン保険の乗り換えは、保険料や保障内容を見直す良い機会ですが、内容を十分に確認せず契約すると、思わぬトラブルや失敗につながることがあります。
3-1.失敗事例から学ぶ
ガン保険の乗り換えでたびたび聞かれる失敗事例として、次のような話があります。
3-1-1.【事例1】乗り換え直後にがんが見つかったが、給付金が支払われなかった
Aさんは、新しいガン保険に乗り換えてから2ヶ月後に胃がんと診断されました。給付金を請求しようとしましたが、「今回はお支払いできません」と言われてしまいました。
3-1-2.【事例2】医者からがんだと言われたのに給付金が支払われなかった
Bさんは、1年前に新しいガン保険に乗り換えましたが、ある日検診で「上皮内がん(上皮内新生物)」と診断されました。保険会社に連絡したところ、「保障対象外」と言われ結局1円も受け取れませんでした。
いずれも、きちんと所定の手続きを踏んでガン保険を乗り換え、「診断給付金」の保障がついていたにもかかわらず、給付金を受け取れなかったケースです。このような事態を防ぐためには、ガン保険の仕組みを知っておく必要があります。
3-2.事前に知っておきたいガン保険の仕組み
先ほどの2つの事例では、なぜ給付金が受け取れなかったのでしょうか。それは、ガン保険には「免責期間」や「保障対象とならないケース」があるためです。
3-2-1.免責期間を理解して空白なく乗り換える
ガン保険には、契約日から一定期間内にがんと診断されても給付金が受け取れない「免責期間」があります。一般的に「保険期間の始期から90日間」「保険期間の始期から3か月間」といった免責期間が設けられています。事例1のAさんのケースでは、加入から2ヶ月後(つまり免責期間内)にがんと診断確定されたため、給付金の給付対象になりませんでした。
保険を乗り換える際には、新しい保険の免責期間中に保障が受けられない点に注意しましょう。新しい保険の免責期間が終了し、保障が開始されたことを確認してから前の保険を解約するのが理想的です。一時的に保険料を二重に支払う期間が発生しますが、保障の空白期間を避けるためには重要なポイントです。
あわせて読みたい|ガン保険の免責期間とは?加入・見直し前に知っておくべき仕組み
3-2-2.保障内容と免責事項をしっかり確認する
ガン保険では、保障内容や免責事項が保険商品やプランによって異なるため、加入時にしっかりと確認することが重要です。事例2のBさんのケースでは、「免責期間」ではなく「保障対象外」が原因で給付金が受け取れなかった例です。上皮内がんとは、がん細胞が上皮内にとどまっている状態のがんで、一般的ながん(悪性新生物)に比べて転移のリスクが低く、早期の治療で完治できるとされています。そのため、保険商品によっては、次のように取り扱いが異なります。
【上皮内がん(上皮内新生物)の保障条件の例】
- 上皮内がんも一般的ながんと同様に保障される
- 上皮内がんの給付金が一般的ながんより減額される
- 上皮内がんは保障対象外となる
このような違いがあるため、上皮内がんがどのように扱われているかを必ず確認しましょう。さらに、次のような保障の違いもチェックが必要です。
診断給付金を受け取れる回数 |
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通院保障の対象 |
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入院日数の制限 |
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自由診療の取り扱い |
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これらのポイントを事前に確認し、現在の保険が自分に合っていない場合は、より自分のニーズに適したガン保険への乗り換えを検討することも選択肢の一つです。契約内容の詳細については、「ご契約のしおり」や「約款」を確認するか、保険会社のコールセンターや代理店担当者に問い合わせると良いでしょう。
4.がん経験者が入れるガン保険の条件と注意点
過去にがんを経験すると、一般的なガン保険に加入するのは難しいとされています。この状況に対応し、「がん経験者向け」の保険を提供している保険会社もあります。この保険は、通常の保険に加入できない方でも再発リスクに備えられる点がメリットです。一方で、保険料が高く設定されていることや、取り扱う保険会社が少なく選択肢が限られる点がデメリットです。
加入には、「治療終了から5年以上経過」「現在、再発や転移がない」「直近3ヶ月以内に入院や手術をすすめられていない」といった条件を満たす必要があります。
より適した保険が見つかった場合は、乗り換えを検討する価値があります。ただし、現在加入中の保険を継続するほうが保障内容や保険料の面で有利なケースもあります。特に、十分な保障が得られている場合や保険料が割安な場合は、乗り換えの必要性を慎重に判断することが大切です。
5.まとめ
ガン保険の乗り換えは、免責期間や保障内容などを十分に確認し、適切なタイミングで行うことが大切です。特に事前の確認や慎重な判断が乗り換え時の失敗を防ぎ、必要な保障をしっかり確保するためのポイントとなります。
まずは現在加入中の保障内容を確認し、今の自分のニーズに合っているか見直しましょう。最適なプランを見つけるために、ぜひシミュレーションも活用してみてください。
※上記は一般的な内容です。保険の種類や呼称、保障内容等は商品によって異なりますので、実際にご加入いただく際は商品詳細をご確認のうえご契約ください。
【執筆・監修】

佐久間 翠(さくま みどり)
- 1級FP技能士
- CFP®
- 証券外務員1種
ファイナンシャルプランナー/ライター。証券会社のオペレーターや生命保険会社でファイナンシャルアドバイザーを務める。その経験を活かして、2016年からフリーライターとしてマネー系記事を中心に執筆。
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