抗がん剤治療にガン保険は適用される?費用や制度を詳しく解説

掲載日:2020/07/15   更新日:2025/02/13

治療薬のイメージ画像

抗がん剤治療を行う際の費用について、保険適用のありなしを含めて詳しく解説します。その他にも、抗がん剤治療の基本の知識から、ガン保険選びのポイントまでわかりやすくご紹介。ぜひ参考にしてみてくださいね。

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1.抗がん剤治療と費用について

「抗がん剤治療」とは、一般的にがん細胞を薬で死滅させる治療法のことをいいます。症状に合わせて、がん細胞の切除手術や、がん細胞に放射線を浴びせて死滅させる放射線治療を組み合わせて行われます。

抗がん剤を用いた治療費は、がんに罹患した部位や進行度・治療内容によって千差万別のため、目安の額を明言することができません。

ただし、抗がん剤が「保険適用」または「保険適用外」のどちらかで支払う治療費が大きく異なるため、まずはそれぞれの場合の費用について見ていきましょう。

1-1.保険適用の抗がん剤治療の費用

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抗がん剤は薬剤のなかでも高価であり、50万円以上することも少なくありません。しかし、保険適用下における抗がん剤治療では「高額療養費制度」が適用されるため、患者が全額自己負担を求められることはほぼなく、保険適用外の治療と比べて負担額を抑えることができます。

高額療養費制度とは、保険適用の治療を行い、医療費が高額になった場合、所得や年齢などに応じて月ごとの自己負担限度額を超えた金額が給付される制度です。

この制度を使うことで、後から自己負担限度額を超えた負担額の払い戻しを受けられます。さらに、治療のために複数回通院することになれば、自己負担限度額がさらに下がります。

これは高額療養費制度の「多数回該当」という仕組みによるもので、直近12ヶ月の間にすでに3回以上の高額療養費を受給している場合に、その月以降の自己負担限度額がさらに下がります。

※通院4回目から多数回該当が適用となります。

FPのひとこと解説:

がん治療のようにあらかじめ治療費が高額になることがわかっている場合、「限度額適用認定」を受けるのもひとつの手。この認定を受けることにより、病院の窓口で支払う治療費が自己負担限度額までとなります。※

仮に上述した高額療養費制度の多数回該当と、限度額適用認定が両方適用された場合、窓口での支払いが不要となるケースもあり得ます。

※参考:全国健康保険協会 限度額適用認定

保険適用対象外となる費用もある

気を付けたいのが、医療費以外の費用は制度の適用対象外となる点。具体的には以下のような費用が該当します。

保険適用対象外の費用の一例

・入院時、個室や少人数部屋に入った場合の費用(差額ベッド代※)

・パジャマやタオルのレンタル費用

・保険請求のための診断書代(1通5,000円~1万円ほど)

・通院のための交通費

・日々の生活費(家賃・光熱費・食費) など

※大部屋に入院した場合、差額ベッド代の負担はない

こうした保険適用対象外の費用を補てんするために、ガン保険に加入しておくのもおすすめです。ただし、通院費用は商品によっては給付されない場合もあるので注意しましょう。

1-2.保険適用外の抗がん剤治療の費用

電卓と聴診器の画像

保険適用の抗がん剤治療で回復がみられなかった場合、保険適用外の抗がん剤が選択肢として出てくるケースがあります。

保険適用外となる抗がん剤とは、海外では承認済みであるものの、日本では未承認で保険収載されていない抗がん剤のこと。保険適用外の抗がん剤を使用した場合は「自由診療」扱いとなり、医療費が全額自己負担になってしまいます。

また、がん治療における自由診療は混合診療が禁止されており、歯の治療のように「医師の診察は保険適用、歯のかぶせ物を自由診療」と分けて考えることができません。

そのため、診察も薬剤もすべて自己負担となることから、ときには100万円以上の支払いが求められるケースも見受けられます。

もしガン保険の加入を検討する際は、上記のような自由診療も保障される商品を選ぶとよいでしょう。月々に支払う保険料は高くなりますが、自由診療での治療を受けたいという場合の自己負担額が軽減されます。

2.抗がん剤治療について詳しく知る

カルテと聴診器の画像

抗がん剤治療の費用の次は、抗がん剤治療の基礎知識についてご紹介します。

▼抗がん剤治療の基礎知識

① 抗がん剤治療のタイミング

② 抗がん剤治療の期間

③ 抗がん剤治療の副作用

④ 抗がん剤治療を用いた外来治療

ひとつずつ詳しく見ていきましょう。

① 抗がん剤治療のタイミング

まず、抗がん剤治療のタイミングについてですが、大きく分けて手術前に行われるケースと、手術後に行われるケースがあります。

・手術前に行う目的:

手術で切除する前に抗がん剤でがんを小さくするため

・手術後に行う目的:

手術後の病理検査でがんと思われる腫瘍が見つかった場合に再発・転移を防ぐため

また、白血病など血液のがんに該当する場合は、はじめから抗がん剤治療が行われることもあります。

② 抗がん剤治療の期間

抗がん剤の投与方法には点滴・注射・服薬の3種類があり、がんの症状によって投与期間や方法が変わります。 どの治療法が選択されるかは医師や患者の好みではなく、国内の医療者向けに作成されたがん診療に関する「ガイドライン」に沿って決められます。

例えば、乳がんの場合、3週ごとに1回を1コースとして、4コースから18コース。つまり3ヶ月から1年ほどの時間をかけて投与されることが一般的です。また、投与ではなく、寛解(※)まで抗がん剤を服薬し続けるケースもあります。

※寛解(かんかい)とは、がん治療によって症状が一時的におさまり、再発しない状態が続いていることを指します。なお、寛解の定義はがんの種類によって異なります。

③ 抗がん剤の副作用

抗がん剤は、非常に効果がある治療法だと言われている一方で、吐き気・髪が抜ける・口内炎・手足のしびれなどのさまざまな副作用が生じることがあります。

これは、抗がん剤には悪いがん細胞を攻撃する際に、良い細胞にも影響を及ぼすという性質があるためです。

なお、副作用はすべての症状が必ず表れるとは限らず、人によっても個人差があります。

④ 抗がん剤を用いた外来治療について

近年では、抗がん剤を用いた外来治療が進歩していること、そして外来治療を選ぶ人が増加していることも知っておきたいポイントです。

以下の、悪性新生物<腫瘍>の入院数と外来数を抜粋したデータを見てみると、平成20年(2008)以降、入院よりも外来での治療が増えていることがわかります。

悪性新生物<腫瘍>の入院・外来別受療者数推移のグラフ ※出典:厚生労働省「令和2年患者調査」

こうした外来治療の進歩により、

・自宅で暮らしながら治療を受けられる

・がん治療を理由に仕事を辞めずに治療を継続する

といったことが可能になっており、がん患者のQOLの向上がみられています。

3.抗がん剤治療を見据えたガン保険選びのポイント

スマホで調べ物をしている女性

最後に、抗がん剤治療を見据えたガン保険選びのポイントをご紹介します。

「1.抗がん剤治療と費用について」でも解説しましたが、抗がん剤治療を行う場合において、ガン保険は主に以下のようなケースに活用できます。

ガン保険が活用できる主なケース

・保険適用対象外の費用を補てんしたいとき

・保険適用の抗がん剤治療では回復が見られず、自由診療の抗がん剤治療を受けたいとき

前述したように、抗がん剤治療では保険適用対象外の費用がかかることもあります。そのため、抗がん剤治療の可能性を見据えてガン保険を選ぶ際は、手術などだけでなく「抗がん剤治療に対する保障」があるかどうかを確認することが大切です。

なかには特約(オプション)ではなく、主契約(メイン)で保障しているガン保険もあります。主契約として抗がん剤治療が保障されていれば、抗がん剤治療を受けた際、あるいは受ける月ごとに、治療一時金として所定の金額が支払われるのが一般的です。

また、その他にも以下のような点に注意してガン保険を選びましょう。

ガン保険を検討する際のチェックポイント

・抗がん剤治療を特約で付帯する場合の期間

・治療一時金の支払い回数

・通院保障を付帯するか否か

ポイント①抗がん剤治療を特約で付帯する場合の期間

まず注意したいのは、特約で抗がん剤治療の保障を付帯する場合の契約期間です。保険期間が終身に設定されているものもあれば、10年ごとなどの「定期タイプ」になっているものもあります。

定期タイプの商品は更新するごとに保険料が変わる恐れがあるため、契約期間中にどの程度の保険料が増減するのかを前もって把握しておきましょう。

ポイント②治療一時金の支払い回数

また、治療一時金の支払い回数についても、無制限なのか、回数制限があるのかを確認しておくことが大切です。

昨今では、抗がん剤治療とともに、ホルモン療法も保障してくれる商品も登場しています。がんの部位や症状、進行度合いによっては、抗がん剤治療ではなく、ホルモン療法をすすめられることもあるので、ホルモン療法まで保障されているガン保険を選択しておくとより安心でしょう。

ポイント③通院保障を付帯するか否か

ガン保険を検討する際は、通院保障を付帯するか否かも検討する必要があるといえます。ガン保険によっては、通院があらかじめ保障されているものもあれば、特約として取捨選択できるものもあります。

保険料との兼ね合いも踏まえ、自身のニーズに適した保険はどれなのか今一度検討してみましょう。

なお、通院保障を特約として付加する場合は、どれだけの通院日数がカバーされているかどうかもチェックしておくことをおすすめします。

4. まとめ

今回の記事では、抗がん剤治療とがん保障の関係についてお伝えしました。抗がん剤と聞くと副作用が強いイメージがあることから、抵抗を感じる人も多いかもしれません。

しかし、昨今では医療技術の発達により、抗がん剤の副作用を軽減する薬も増えており、副作用そのもののリスクも減りつつあります。

自分ががんになることはなかなか想像しにくいかもしれませんが、この機会に今一度がんになった場合にどう向き合っていくか考えてみてはいかがでしょうか。

そのうえで、自身のニーズと予算を照らし合わせ、適切なガン保険を探してみることをおすすめします。

※上記は一般的な内容です。保険の種類や呼称、保障内容等は商品によって異なりますので、実際にご加入いただく際は商品詳細をご確認のうえご契約ください。

【執筆・監修】

たかの ともこの写真

高野 具子 (たかの ともこ)

40社の保険会社を扱う来店型保険相談ショップの元店長。
保険だけに留まらず、より広い視野で顧客へ金融アドバイスをするため長年勤めた保険ショップを退職。
「出会ったすべての人の懐を温め、心豊かにすること」をテーマに、将来の資金作りのプランナーとして現在活動中。
特に自身の経験に基いたコンサルティングは30代40代の女性に「話しやすく何でも相談でき安心できる」と定評あり。

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