医療保険の加入条件で知っておきたいこと

掲載日:2020/12/29   更新日:2022/11/16

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医療保険には加入条件があり、保険会社の審査により、その条件を満たしていると認められなければ加入できません。なぜ審査があるのか、何が審査され、どのような点に気をつければよいのか。医療保険の加入条件や審査について確認しておきましょう。

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1.なぜ保険には審査があるのか?

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医療保険に加入する際には健康状態などに関する審査があり、この審査に通らなければ医療保険に加入することはできません。

医療保険をはじめとする保険は、多くの人が保険料という形でお金を出し合い、もしものときには保険金や給付金としてまとまったお金を受取れる、「相互扶助」という仕組みで成り立っています。審査は、リスクの高い人の加入を制限することで加入者のリスクを一定の範囲内に抑え、加入者間の保険料負担の公平性を保つために行われ、相互扶助の仕組みを成り立たせるために必要なものです。

もし健康状態の悪い人も無条件で加入できるとなると、給付金の支払いが多くなり、その支払いに充てるために保険会社はより多くの保険料を集めなければならなくなります。健康で給付金を受取れる可能性の低い人にとっては割の合わない高い保険料となり、健康な加入者は減ることでしょう。そうなると健康状態の悪い加入者の割合が高まり、さらに保険料が上がるという悪循環となり、保険自体が成り立たなくなってしまうのです。

2.医療保険の加入条件とは?

審査は大きく「健康状態」「職業(業務内容)」「モラルリスク」の3つの項目について行われ、それぞれの審査基準を満たすことが医療保険の加入条件となります。

2-1.健康状態(身体上の危険)

被保険者の健康状態は、審査において最も重視される項目です。審査は、被保険者本人が健康状態に関する質問事項に書面で回答する形で告知を行い、その内容をもとに加入の可否や条件などが判定されます。この書面を告知書といい、次のような内容について告知が求められます。

告知事項(例)

・直近の健康状態について

 過去3ヶ月以内の医師による診察や検査、治療、投薬、入院、手術の有無、該当項目がある場合はその詳細

・過去一定期間内の健康状態について

 過去5年以内の医師による診察や検査、治療、投薬、入院、手術の有無、該当項目がある場合はその詳細

・ガンの罹患歴

 今までにガンにかかったことがあるかどうか

・直近の健康診断の結果について

 過去2年以内に健康診断を受けているかどうか、健康診断を受けている場合は異常指摘の有無、異常指摘があった場合は検査結果の詳細やその後の経過(再検査や治療の有無・内容)

・身体の障害について

 視力・聴力・言語・そしゃく機能の障害の有無、該当項目がある場合はその詳細

・妊娠の有無(女性のみ)

 現在妊娠しているか、妊娠している場合は週数・身長・体重

2-2.職業(環境上の危険)

被保険者の職業(業種)や仕事内容も審査対象であり、職業(業種)や具体的な仕事内容について告知が必要です。

病気やケガのリスクが高いとされる職業に就いている人は、医療保険に加入できない、あるいは加入できたとしても給付金額等が制限されることがあります。

審査においてリスクが高い(加入制限を受けるおそれのある)職業(例)

・スタントマン
・テストパイロット・テストドライバー
・潜水士
・潜水漁師・海女
・地下・水面作業者
・爆破作業者
・鉱業従事者(採石工など)
・漁船乗組員
・林業従事者
・高所作業者(とび職・ビルの窓清掃作業員など)
・高圧電気取扱者
・格闘家
・騎手・調教師
・競輪・競艇選手・レーサー
・登山家・探検家
・土木・建設作業者
・トラック運転手・タクシー運転手
・重機オペレーター
・航空機搭乗員
・深夜営業飲食業従事者、風俗営業従事者
・自衛官・警察官・消防士

加入制限を受ける職業については、保険会社や保険種類による違いもあるため、加入を希望する保険会社に確認しましょう。

2-3.モラルリスク(道徳上の危険)

モラルリスクも加入者間の公平性を損なうものとして、審査の対象となります。モラルリスクとは、保険制度を悪用して給付金を不正に取得しようとするリスクのことをいいます。

たとえば被保険者の収入や資産に対し給付金額が不相応に高額な申込みの場合、モラルリスクが疑われ加入が制限されることがあります。

また、暴力団員など反社会勢力に該当する人やその関係者は保険に加入できません。刺青やタトゥーなどがある場合、反社会勢力等に該当していなくても、その可能性が疑われるとして加入を断る保険会社も少なくありません(肝炎など、感染症のリスクが高まることも要因に含まれます)。

モラルリスクの審査は、申込時に年収や反社会勢力でないことを被保険者・契約者本人が書面で申告するほか、被保険者を面談する担当者(生命保険募集人)が、加入目的や経緯、言動などからモラルリスクが疑われないかを確認し、必要に応じて保険会社に報告します。

申込みを受けた保険会社では、他社の契約の有無や内容を各社の保険契約内容が登録されたデータベースで照会したり、反社会勢力等ではないか警察等のデータベースで照会したりすることによりモラルリスクを審査し、契約引受の可否を判断します。

契約成立後に反社会勢力等であることが判明した場合や、新たに反社会勢力等に該当した場合には、保険会社は契約を解除できることになっています。

3.持病があると加入できないのか?

診断表と聴診器

健康状態は医療保険に加入できるかを左右する重要な要素ですが、持病や過去の病歴などがあっても、医療保険に加入できる場合もあります。

3-1.審査の結果により条件付きで加入できる場合もある

審査の結果には、申込内容の通りに加入できる(無条件)か、加入できない(謝絶)かのほか、特定の部位や疾病(病気)を保障対象外とすること、あるいは割増保険料を支払うことなどを条件に、加入が認められる場合もあります。

審査結果の種類(例)の表

部位不担保や特定疾病不担保の条件には期限が付く場合も多く、不担保期間経過後は、保障対象外となった部位や疾病についても保障を受けられるようになります。

条件付きの結果となった場合、契約者がその条件を承諾すれば契約が成立し、医療保険に加入できます。契約者が条件を承諾しなければ、契約は不成立となります。

3-2.持病があっても加入できたケース

医療保険に加入できるかは、実際に審査を受けてみなければわかりません。あくまで一例ですが、持病や病歴のある方が医療保険に申込んだケースでは、次のような結果が出ています。

持病があっても加入できたケースの表

審査基準は保険会社によって異なり、加入の可否や条件は被保険者ごとに個別に判断されるものです。また複数の持病や病歴、健康診断等での指摘事項があれば、引受の可否や条件も変わってきます。持病があるから医療保険には入れないだろうと自身で勝手に判断せず、まずは保険会社に相談してみることが大切です。

3-3.審査のポイントは詳しく告知すること

保険に正しく加入するためには、できるだけ詳細に告知を行うことがポイントです。持病や病歴などについて保険会社に知られると審査には不利になるように思われるかもしれませんが、実際はその逆で、詳細に告知をすることで有利に働くケースのほうが多いといえます。保険会社としても、情報が少なければリスクを正しく評価できないため、通常よりも審査に時間がかかってしまったり、審査が厳しくなってしまったりすることもあります。

告知では、病名や治療期間だけでなく、具体的な治療内容や検査の数値、処方されている薬の名前、合併症の有無、医師の所見など、把握している情報はなるべく詳細に記入するようにしましょう。記入する際は、お薬手帳や検査結果票、診断書、退院証明書などをもとに正確に行うことが大切です。

また医療保険の審査は原則告知書のみで行われますが、健康診断・人間ドックの結果票や医師の診断書などを提出することで、審査に有利に働くこともあります。

告知書での申込後、保険会社から健康診断・人間ドックの結果票や医師の診断書の追加提出を求められることもあります。この場合は告知書だけでは判断がつかなかったということであり、提出できない場合は厳しい審査結果となることが想定されます。提出すれば必ず審査に通るわけではありませんが、提出したほうが審査に通る可能性は高くなります。

4.告知義務違反をすれば、給付金が支払われないことも

保険に申込む際には、保険会社から告知を求められた事項について正確に告知する義務があります。告知をすると審査に通らないかもしれないからといって、告知事項に該当しているにも関わらず告知しないなど、審査に有利になるよう虚偽の告知をしてはいけません。

被保険者の故意もしくは重大な過失により、正確な告知をせず医療保険に加入した場合、保険会社は責任開始日(保障開始日)から2年以内であれば契約を解除でき、以後保障を受けられなくなるおそれがあります。また告知義務違反によって、給付事由に該当していても給付金を受取れなくなることもあります。

医療保険に加入できても、肝心なときに給付金を受取れないのでは意味がありません。告知は正しく行いましょう。

告知書の提出後、告知漏れや告知内容の間違いに気づいた場合は、追加告知や告知の訂正ができます。保険会社あるいは代理店の担当者などにすぐに連絡して、指示を仰ぐようにしましょう。

5.審査期間はどのくらいかかるか?

保険会社や申込時期などによって差がありますが、一般的には医療保険に申込んでから1〜2週間程度で審査結果が出ます。告知に該当する項目がない場合や、オンラインで申込んだ場合などには、数日程度で結果が分かることもあります。一方で告知書に不備がある場合や、追加書類の提出が必要となった場合は、通常よりも審査が長引くこともあります。

6.まとめ

医療保険の加入条件や審査は、これから加入しようとする方にとってはネックとなることもありますが、加入者間の公平性を保つために欠かせないものであり、将来の加入者自身の保障を守るためのものです。

加入条件を満たさないかもしれないからと告知しないことや、虚偽の告知をすることは告知義務違反にあたります。いざというときに給付金が支払われないおそれもあり、絶対にやってはいけません。告知に該当したとしても必ずしも医療保険に加入できないわけではなく、告知の方法や、保険会社・商品の選択によって加入できる可能性はあります。保険に加入する際は、ルールの中で自身ができることを行うことが大切です。



※上記は一般的な内容です。保険の種類や呼称、保障内容等は商品によって異なりますので、 実際にご加入いただく際は商品詳細をご確認のうえご契約ください。

【執筆・監修】

竹国 弘城の写真

竹国 弘城(たけくに ひろき)

証券会社、生損保総合代理店での勤務を経てファイナンシャルプランナー(FP)として独立。相談者の利益を第一に考え、自分のお金の問題に自分自身で対処できるようになるためのコンサルティングや執筆活動などを行う。

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