ガン保険のおすすめは?年代別の選び方から必要性まで全解説
掲載日:2022/09/15
ガン保険は保険会社ごとにさまざまな保障があり、自分に合うものを見つけるのが難しい保険です。
そこでここでは、年代別にガン保険の選び方のポイントについて解説。ぜひ参考にして、自分にぴったりのガン保険を選んでみてくださいね。
- ガンになる確率は年齢とともに高くなる
- ガン保険は若いうちに加入すると保険料負担が少ない
- ガン罹患時に経済的な不安があるならガン保険に加入
目次
1.ガン保険とは?必要性や加入状況をチェック
おすすめや選び方を見ていく前に、まずはガン保険の特徴や、加入の必要性を見ていきましょう。
先におすすめのガン保険の選び方を知りたい人はこちらから記事下部にジャンプしてチェックしてみてくださいね。
1-1.ガン保険とはどんなもの?
ガン保険とは、ガンの保障に特化した医療保険です。ガン以外の病気やケガの保障はありませんが、その分ガンの保障は手厚いという特徴があります。
ガン保険はガンの治療事情の変化に合わせて改良され、医療保険ではカバーしきれないガンのリスクの多くをさまざまな保障でカバーし、必要に応じて給付を行います。
現在のガン保険の主な給付内容
- ガン治療給付金
- ガン診断給付金
- ガン入院給付金
- ガン手術給付金
- ガン通院給付金
- ガン先進医療給付金
年代別ガンのリスク/加入状況
では、ガンのリスクや加入状況をデータで見てみましょう。
このグラフの通り、ガンの罹患率(ガンにかかる確率)は、年齢が上がるほど高くなります。またガン保険の加入率は、45歳から59歳までがもっとも高い状態です。
このデータからも、年々高まっていくガンのリスクを踏まえて、45~59歳頃までには貯蓄や保険などで何かしらの備えをしておくことがおすすめと言えるでしょう。
ガンの治療に必要な費用
では、ガンの治療にはいくらかかるのでしょうか。厚生労働省の治療費のデータの一例をご紹介します。
悪性リンパ腫の1入院あたりの費用
- 入院費全体:約97万円
- 入院費自己負担分(3割):約29万円
- 入院日数:約16日
(※総点数を件数で割り、1点を10円として計算)
参照:令和元年度「医療給付実態調査」|厚生労働省また、例えば70歳未満で「標準報酬月額」が28~50万円の人の場合、公的医療保険である高額療養費制度の適用によって、実際の自己負担は約9万円となります(入院が月をまたがず、同じ月に収まった場合)。
※標準報酬月額とは、社会保険料の計算のための仮の報酬額で、税引き前の給与を30段階に分けたものです。
しかし、実際には公的医療保険の対象にならない費用も発生し、この対象外の費用に対して、金銭的な備えが必要になるのです。
ガン保険の加入を検討するときは、入院時の食事代の一部や、先進医療などといった公的保険の対象外の費用について、自分がどれだけ備えられるかを考えておくことがおすすめです。
1-2.ガン保険に加入すべき?
ガン保険に加入すべきかどうかは個々の状況によって異なります。ガン保険が特に必要な人は次のような方です。
蓄えのあまりない人
ガンの治療には高額の費用がかかるため、万一の蓄えの少ない人はガン保険の必要性が高くなります。若い人のガンの罹患率は低いですが、ガンにかかったときのお金が心配なら、ガン保険に入ったほうがよいでしょう。
自営業・フリーランス
会社員・公務員であれば、ガンで休職中でも健康保険から傷病手当金が受けられますが、自営業・フリーランスには傷病手当金がありません。そのためガン保険による自助努力が特に必要といえます。
先進医療を受けたい人
ガンの治療で費用を気にせず健康保険適用外の先進医療などを受けたい人も、ガン保険の必要性が高いといえます。たとえば、所定のガンに対する先進医療のひとつである重粒子線治療などは、300万円以上の費用がかかるといわれています。このような最新の治療を受けたい人は、ガン保険への加入がおすすめです。
扶養親族がいる人
会社員・公務員で子育て世代の人は、ガン保険の加入を検討したいところです。特に子育て中で扶養している家族がいる方は、ガンになったときの経済的な影響を考える必要があります。解決策として、ガン保険は選択肢のひとつです。
心当たりがある方は、ぜひガン保険による備えを検討しておきましょう。
さらに詳しくは、こちらの記事でも解説しています。
2.【年代別】おすすめのガン保険の選び方
ここからは、年代別におすすめのがん保険の選び方をご紹介します。
【当てはまる章へジャンプ】
2-1.20代におすすめのガン保険の選び方
20代は預貯金が十分でない人も多く、罹患した際の経済的なリスクは高いといえます。
そこで、無理なく支払える保険料の範囲で、「せめてこれだけは」という最低限の保障を備えておくとよいでしょう。
終身タイプのガン保険は、若いうちに加入すれば手頃な保険料がずっと続きます。ガンにかかる前から、万が一のために備えておくのがおすすめです。
女性特有のガンへの備えも大切
国立ガン研究センターによると「AYA世代(15~39歳)」のガン患者は、20歳以上39歳以下で女性の占める割合が約80%。その原因として、25歳以降の子宮頸ガンと乳ガンの増加が影響していると考えられます。
寛解後の再発や転移の可能性を考えて、女性特有のガンに備えておくことも大切です。
20代におすすめの保険は?
働けなくなった場合の経済的な負担の備えとして、就業不能保険の検討もおすすめです。
20代は収入も少なく、ガンなどの病気やけがで働けなくなったときの経済的なリスクが高いといえます。ガン保険に加えて、こうした保険も検討してみると良いでしょう。
2-2.30代におすすめのガン保険の選び方
一般的に30代は、体力的に多くの治療の選択肢があるため、抗ガン剤など治療の費用に備えられる保険が望ましいといえます。
保険料もそれほど高くならない時期なので、60歳までなど短期払いで現役中に保険料の支払いを完了させるプランも有効です。
またガン保険の検討の際には、万が一の際の治療費の支出や、収入の減少にガン保険でどの程度備えるかを計算しておくのがおすすめ。自分に合った保障が見えてきます。
30代におすすめの保険は?
ガン保険ではカバーしきれない収入減少には、就業不能保険や、収入保障保険の活用も検討してみましょう。
けがや病気で働けなくなったときや、万が一のときにも備えられる保険があれば安心です。
2-3.40代におすすめのガン保険の選び方
40代では、男女ともにガンに罹患する割合が上昇するのにあわせて、ガン保険の保険料も上がります。
加入を検討するなら、保障内容を厳選して、支払う保険料とバランスが取れた良い商品を選びましょう。
また、40代になるとガン以外の病気になるリスクも上昇します。特に治療にお金がかかりやすい3大疾病(ガン・急性心筋梗塞・脳卒中)の保険に加入するのも選択肢のひとつです。
40代におすすめの保険は?
ガン以外の病気のリスクが高まる40代には、治療費が高額になりやすい3大疾病(ガン・急性心筋梗塞・脳卒中)の保険がおすすめです。「3大疾病保険プレミアムZ」はガン治療の手厚い保障に加えて、急性心筋梗塞・脳卒中への一時金や治療の給付金が受取れます。
2-4.50代におすすめのガン保険の選び方
50代はガンの罹患率が一気に上がり、特に男性のガンのリスクが上昇する時期です。
すでにガン保険に長期加入している場合、見直しを考えるべき時期といえます。ガンの治療事情は変化しており、古い保険では保障が不十分な可能性があるためです。
また新しい保険に加入する場合は、保障内容を厳選して、費用対効果の高い保険を選ぶようにしましょう。ちなみにガンになってからガン保険を継続しようとすると、保険料の負担が大きくなるケースも考えられます。保険料払込免除特約を付けておくと、ガンになった際に保険料の支払いが無くなり、ガンの保障を受けられます。
また、保険を解約する場合は、保障の空白に注意が必要です。ガン保険のほとんどは保険期間開始から90日または3カ月の間はガンの保障を受けられない「不てん補期間」があります。ガン保険の見直しの際に古いガン保険を解約する場合は、保障の空白期間を作らないよう「不てん補期間」が終わってから解約するようにしましょう。
50代におすすめの保険は?
50代になると、ガン以外の病気での入院リスクが高まります。医療保険の加入で、病気やケガの入院への備えを行っておきましょう。
2-5.60代におすすめのガン保険の選び方
60代はガンの罹患リスクが特に高まる時期です。保険料が上がる点やガンにかかると加入できなくなることから、ガン保険の新規加入や見直しは60代が事実上のラストチャンスと言えます。
新規加入や見直しも検討しつつ、保険料を抑えるために現在の保険を解約せず、新規にガンの治療保障だけの保険を上乗せする方法もあります。
3. ガン保険の疑問を解消!Q&A
最後に、ガン保険の気になる疑問をQ&A形式でまとめて解消していきましょう。
Q:持病やガン治療歴があってもガン保険に入れるの?
A:保険会社によっては加入できる場合もあります。
保険会社によってはガンの既往歴があっても加入できるガン保険があります。また、持病があっても加入できる医療保険などもあるため、さまざまな保険の加入条件を比較するとよいでしょう。
Q:通院保障は付けたほうがいい?
A:保障内容や保険料とのバランスを見ながら検討しましょう。
最近、ガンは通院治療が入院の割合を越え、またガン保険も通院治療を重視した内容のものが増えています。このような傾向を踏まえて、自分に合った保険を選ぶことが大切です。
Q:抗がん剤治療はガン保険で適用される?
A:種類や会社によって異なります。保障内容を確認しましょう。
「抗がん剤治療の保障」が特約(オプション)で付帯される保険と、主契約(メイン)で保障しているガン保険があります。ガン保険に加入する際には保障内容を確認しておくことが大切です。
Q:女性に特におすすめの保険はある?
A:一般的に保障内容に男女差はありませんが、子宮ガンや乳ガンなどの保障に特化した女性向けの保険もあります。
Q:独身でもガン保険に加入すべき?
A:経済的な不安があるなら、ガン保険で備えておくのもひとつの手です。 ガン治療による収入の減少に不安があり、経済的に困窮するケースが想定されるのであれば、加入しておくほうがよいでしょう。
Q:ガン保険と医療保険の違いは?
A:医療保険は病気やケガなどでの入院・手術を保障するもので、ガン保険はガンの治療に特化した保険になります。ガン保険は、医療保険ではカバーしきれないガンのリスクの多くを手厚く保障してくれます。
4.まとめ
ガン保険はガンだけを保障する保険のため、保険料は比較的割安な保険です。しかし、ガンの罹患率は年齢とともに上昇し、ガン保険の保険料も上がっていきます。加入のタイミングは人それぞれですが、若いうちに加入するほうが保険料の負担が少ないことを覚えておきましょう。
また、ガン保険の保障はガンの治療事情に合わせて改良されています。いざというときに役に立つよう、ガンにかかる前に見直しておきましょう。
※上記は一般的な内容です。保険の種類や呼称、保障内容等は商品によって異なりますので、実際にご加入いただく際は商品詳細をご確認のうえご契約ください。
【執筆・監修】
松田 聡子(まつだ さとこ)
- 日本FP協会認定CFP
- DCアドバイザー
- 証券外務員2種
明治大学法学部卒。金融系ソフトウェア開発、国内生保を経て2007年に独立系FPとして開業。企業型確定拠出年金の講師、相談業務等に加え、現在は執筆活動にも力を入れている。iDeCoやNISAを有効活用したライフプランニング、リタイアメントプランニングで人生100年時代をマネーの面からサポート。
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