終身保険と定期保険の組み合わせはあり?収入保障保険の組み合わせについても解説

掲載日:2021/04/16   更新日:2023/07/14

コンサルタントと相談する家族のイメージ

最近では生命保険(死亡保険)は「終身保険」と「定期保険」の2種類が主流となっており、この記事を読んでいる方の中にも、どちらか一方にだけ加入していれば十分な保障が得られると考えている方も多いのではないでしょうか。しかし実は、終身保険と定期保険または、収入保障保険など、ほかの保険と組み合わせることで納得のいく保障を得られる場合があります。

そこで、今回の記事では生命保険における終身保険・定期保険および収入保障保険の概要を踏まえて、どのように組み合わせたら良いのかわかりやすく解説します。

1.終身保険だけではカバーできていない?保険は組み合わせるべきか

終身保険は一度加入すると保障が生涯続くため、保険を見直したり、考え直したりすることがない人も多いでしょう。しかし、終身保険だけではカバーしきれていないケースもあります。具体的には次のようなケースです。

子どもが成人するまで保障を手厚くしたい

パートナーが専業主婦(夫)であり、年金支給対象となるまでは保障を手厚くしたい

このように一定期間のみ保障を手厚くしたいと考えている場合、終身保険に加えて定期保険に加入しておくことで効率的に必要な保障を用意できるでしょう。遺された家族の生活資金を目的とする場合は、定期保険でなく収入保障保険もおすすめです。

次の項では終身保険の不足を補える保険について詳しく紹介します。

2.終身保険の不足をカバーできる、その他の生命保険

ここでは、終身保険の足りない部分をカバーできる、以下の2つの保険について詳しく解説します。

定期保険と収入保障保険の保険料等の比較表

定期保険

収入保障保険

2-1.定期保険

定期保険とは、保険期間中に被保険者が死亡したときや、所定の高度障害状態になったときに一括で保険金が支払われる生命保険(死亡保険)のことです。毎月の保険料を抑えられるほか、家計の状況やライフステージによって見直しがしやすい特徴があります。

保険料は抑えられるものの、保険期間中であれば常に受け取れる保険金額は一定であるため、「子どもの教育費に備えたいが、学資保険よりも月々の支払いを抑えたい」「退職するまで(一定金額の)死亡保障を手厚くしたい」と考えている方は、終身保険に定期保険を組み合わせると良いでしょう。

とはいえ、定期保険は基本的に掛け捨て型であり、途中で解約した場合に戻ってくるお金は全くないか、あってもごくわずかである点に注意が必要です。

定期保険については以下のコラムで詳しく解説しているので、ぜひチェックしてみてくださいね。
>>定期保険について詳しく知りたい人はこちら

2-2.収入保障保険

収入保障保険とは、被保険者が死亡あるいは高度障害状態となったときに、毎月一定額の死亡保険金を保険期間満了まで分割で受け取れる保険です。保険期間の経過とともに保険金の受取総額が下がるという特徴があります。

収入保障保険は定期的に決まった額の保険料を受け取れるため、終身保険と組み合わせることで月々の生活費をカバーしやすいのが特徴です。毎月の保険料は、加入直後の保険金総額と同額の定期保険と比べて低く設定されているので、必要最低限の保障で合理的に保険に加入したいと考える方に適しているでしょう。

「子どもが大きくなれば保障は必要ない」「将来的には貯蓄の目途が立っている」などの年々必要な保険金が減ってくる人にも向いています

また、死亡保険金は年金形式で受け取る以外に一括での受け取りも認められていますが、その場合には年金形式と比べて、受取総額が少なくなる場合がある点に注意しましょう。

>>収入保障保険について詳しく知りたい人はこちら

3.さまざまな保険の組み合わせ例

ここではさまざまな保険の組み合わせの例について紹介します。

終身保険×定期保険

終身保険×収入保障保険

定期保険×収入保障保険

3-1.終身保険×定期保険

終身保険と定期保険の組み合わせについては、定期保険が「年満了型」なのか「歳満了型」なのかによって異なります。

年満了型:10年、20年など年数で期間を決める方式

歳満了型:年齢(55歳、60歳、65歳満了など)で期間を決める方式

ここではそれぞれのタイプ別に見ていきましょう。

3-1-1.定期保険(年満了型)の場合

終身保険と定期保険の組み合わせ(定期保険:年満了型の場合)の保険金額

定期保険(年満了型)と終身保険を組み合わせた場合、葬式代や相続対策などは終身保険で準備し、期間が短い定期保険をライフスタイルに合わせて柔軟に組み合わせるのが一般的です。

たとえば、子どもの大学進学に備えるのであれば、子どもが成人するあたりをめどに保険期間を設定しておくと良いでしょう。

特に20代と30代を中心とした若い世代は結婚や出産、マイホーム購入などライフイベントが多くなります。そうした変化に合わせるため、定期保険の更新期間は10年を目安にすると使い勝手が良くなるでしょう。とはいえ、更新のたびに保険料が高くなるため、いつまで加入し続けるのか慎重に見極めることが大切です。

3-1-2.定期保険(歳満了型)の場合

終身保険と定期保険の組み合わせ(定期保険:歳満了型の場合)の保険金額

定期保険(歳満了型)と終身保険の組み合わせでは、葬式費用や相続対策などは終身保険で準備し、「配偶者が年金を受け取れるようになるまで備えたい」「自分が定年退職を迎えるまで備えたい」など必要な期間のみ定期保険(歳満了型)で備えることになります。

定期保険(歳満了型)と組み合わせる場合、満了期間を60歳や65歳に設定すると良いでしょう。また、更新を迎えるまでは、保険料は毎月一定でずっと変わらないので、資産計画が立てやすいといったメリットもあります。

3-2.終身保険×収入保障保険

終身保険と収入保障保険の組み合わせの保険金額

終身保険と収入保障保険の組み合わせでは、葬式費用や相続税対策などは終身保険で準備し、そこに「収入保障保険」を合わせる方法が一般的です。大学進学費用などのまとまったお金を用意するのに収入保障保険は適さないものの、一般的には子どもの成長に伴って必要となる教育資金は減少します。そのため、定期保険よりも安い保険料で最低限の保障を得られるでしょう

また、自分の死後に遺された家族の生活費を目的とする場合であっても、子どもが自立し配偶者が年金を受け取れるようになれば、そこまで多くの保障は必要ないケースがほとんどです。そういった点で、収入保障保険は月々の支払保険料を抑えつつ、ライフステージに応じて必要な保障を得られる保険だといえます。

3-3.定期保険×収入保障保険

終身保険と収入保障保険の組み合わせの保険金額

結論からいえば、定期保険と収入保障保険を組み合わせるケースは多くありません。保険金の受け取り方にこそ違いはありますが、どちらの保険も「万が一の際、家族にお金を遺したい」といった加入目的が同じだからです。

そのため、収入保険は定期保険と組み合わせるのではなく、終身保険と組み合わせた方が使い勝手が良いといえるでしょう。とはいえ、ある程度資産に余裕があり、「長期的な保障として収入保障保険に加入しておきたいが、子どもが成人するまでは保障を手厚くしたい」などと考えている場合は検討しても良いかもしれません。

4.まとめ

今回の記事では、生命保険の終身保険・定期保険の組み合わせ方について、収入保障保険も含めて紹介しました。記事の中でもお伝えしたように、組み合わせる際は加入する保険のタイプを把握した上で、どの点をカバーすべきなのか判断することが大切です。また、ライフステージの変化がある際は、その都度保障内容の見直しを怠らないようにしましょう。

自分の契約している保険の保障内容がよくわからないという人も多いかもしれません。その場合は、FP(フィナンシャルプランナー)や信頼のおける保険会社に相談してみることをおすすめします。ニーズに合わせて適切な商品を提案してもらえるでしょう。


※上記は一般的な内容です。保険の種類や呼称、保障内容等は商品によって異なりますので、実際にご加入いただく際は商品詳細をご確認のうえご契約ください。

【執筆・監修】

織瀬ゆりの写真

織瀬ゆり(おりせ ゆり)

元信託銀行員。AFP・ 2級FP技能士をはじめ、複数の金融・不動産資格を所持。それらの知識をもとに、「初心者にもわかりやすい執筆」を心がけている。2児の子育て中でもあり、子育て世帯向けの資産形成、女性向けのライフプラン記事を得意とする。

ライター記事一覧 >

チューリッヒ生命カスタマーケアセンター

0120-680-777

月~土午前9時~午後6時 ※日曜・祝日は除く

保険に関するご質問・ご相談など
お気軽にお電話ください。
専門のオペレーターが丁寧にお応えします!

専門のオペレーターが丁寧にお応えします!