生命保険はいらないと言われる理由を解説!加入の必要性や注意点を押さえて検討しよう
掲載日:2021/05/31 更新日:2024/01/24
生命保険は病気やケガ、死亡時などに給付金や保険金が受け取れるため、もしものときのために加入を検討している人も多いでしょう。一方で、「生命保険はいらない」という意見もあり、保険に加入するか悩んでしまいますよね。今回は生命保険が不要といわれる理由、そして加入していない場合について解説します。
なお、本記事での「生命保険」は、病気、ケガ、介護、死亡など、人生のリスクに備える、広い意味での生命保険のことを指します。
- 生命保険に入っていないとどうなるかがわかる
- 生命保険が必要な人・不要な人を理解できる
- 生命保険加入時の注意点がわかる
目次
1.生命保険がいらないといわれる理由
生命保険はいらないという意見もあります。その理由を解説していきましょう。
1-1.社会保険制度が充実している
日本では「国民皆保険制度」が定められており、病気やケガの際に医療費負担を軽減できる健康保険制度があります。また、1ヶ月間で支払う医療費が高額になった場合、一定以上部分の金額が戻ってくる「高額療養費制度」もあり、医療費に関する制度が充実しているといえます。
そのため、生命保険に加入する必要がないという意見の方もいるのです。
1-2.保険料が負担になる、貯蓄で備えればよい
生命保険に加入すれば、毎月、毎年など定期的に保険料を支払わなければなりません。多くの場合、保険料は毎月数千円以上かかります。
健康であれば保険に頼ることがないため、使うかどうかわからない生命保険にお金を支払うのがもったいないという考え方もあるでしょう。中には保険料分を貯蓄に回し、医療費は貯蓄から支払えばよいという考えを持つ方もいます。
1-3.各種年金がある
日本には公的年金制度があるため、原則65歳以上になれば老齢基礎年金を受け取れます。また、病気やケガで働けなくなったときには障害年金、国民年金の被保険者が亡くなった場合、条件を満たした遺族がいれば遺族基礎年金が支払われます。
働けなくなり、収入がなくなった場合でも年金が給付されるため、生命保険で備える必要がないという考え方もあるようです。
2. 日本人の生命保険加入状況
生命保険が不要という意見を確認したところで、生命保険文化センターの「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査」から日本人の生命保険加入状況を見てみましょう。
まずは、保険種類ごとの生命保険加入率です。
出典:2022(令和4)年度 生活保障に関する調査医療保険、生命保険(死亡保障)は調査対象者の過半数が加入しています。入院費用や万一のための費用を準備したい方が多いということがうかがえるでしょう。
また、男女別で見ると生命保険、介護保険の加入率は男女で差はほぼありませんが、医療保険は約4%、がん保険は約2%、女性の加入率が高くなっています。また令和2年の厚労省の調査によると、外来の女性患者も男性患者の約1.16倍多くなっています。
3.万一のときに生命保険に入っていないとどうなる?
病気や死亡など、万一のときに生命保険に入っていなかったらどうなるのでしょうか。懸念される点を紹介します。
3-1.遺された家族が経済的負担を抱える
生命保険(死亡保障)に加入していない場合、家族の生計を支えている方が亡くなったとき、収入が途絶えて遺された家族が経済的な負担を抱えるかもしれません。
遺された家族が働き始めるとしても、子どもがいる場合、託児所の支払いが増えたり、仕事が忙しくて外食の機会が増えたりと、生活スタイルが変わることで結果的に出費が増えてしまう可能性もあります。
経済的な負担を抱えてしまうと、これまでの生活水準を維持するのが難しくなることがあるでしょう。
3-2.治療費が大きな負担になる可能性もある
公的医療保険制度があるため、国民健康保険の被保険者であれば病気などの医療費負担は1割~3割です。また、医療費が高額になった場合は高額療養費制度が適用され、一定以上の金額(自己負担限度額を超えた分)が戻ってきます。
しかし、差額ベッド代、入院時の食事代、先進医療などの一部の対象外の治療は健康保険で賄うことができません。医療保険に入っていない場合、これらの費用を貯蓄から切り崩すと経済的に大きな負担となるでしょう。
3-3.治療中、治療後に今まで通り働けなくなり収入減につながる
入院や通院によって、病気の治療中は今までのように働けなくなる可能性があります。また、治療が終わってもしっかり働けるようになるまで時間がかかるかもしれません。病気にかかる前のように働けなくなることで収入が減ってしまうことも考えられます。
4.生命保険が必要な人・不要な人
ここまで、生命保険に入っていないとどうなるかを紹介しましたが、自分は入るべきなのか迷っているという方もいるはずです。そこで、生命保険が必要な人、そして不要な人の特徴について詳しく解説します。
4-1.生命保険が必要な人
生命保険が必要な人の特徴は、以下の4つです。
扶養する家族がいる人
配偶者や子どもなど、扶養する家族がいる方の場合、万一のことが起こると遺された家族の生活に大きな影響が生じます。遺された家族のためにも生命保険で備えておくと安心です。
また、病気・ケガで療養する場合も収入が減る可能性があります。死亡保障だけでなく、医療保険・がん保険などにも加入し、家族が困らないように備えることを検討しましょう。
給与を家計の足しにしている人
共働きなどで収入を家計の足しにしている方も多いのではないでしょうか。そのような場合、一方の収入が途絶えた場合、家計に影響が生じるので、不足しそうな分を生命保険でカバーできるよう加入しておく方がよいでしょう。
貯蓄を別の目的で使いたい人
マイホーム費用や学費、そして老後など、何らかの目的を持って貯蓄をしている方は多いでしょう。その貯蓄を医療費や遺された家族の生活費として使うことになったら、当初の目的に使えなくなることもあります。貯蓄には手をつけず、生活費を確保したいのならば、生命保険に加入することを考えましょう。
貯蓄額に不安がある人
貯蓄が少ない場合、いざというときに医療費が支払えなくなったり、家族の生活に影響を与えたりする可能性があります。現時点で貯蓄額に不安があるという方も生命保険の加入を検討するとよいでしょう。
4-2.生命保険が不要な人
生命保険が不要な人の特徴を2つ紹介します。
十分な貯蓄がある人
貯蓄が十分にある方は、生命保険に入る必要性は低いかも知れません。もしものときは、貯蓄を医療費や遺された家族の生活費に充てるとよいでしょう。
扶養家族がおらず死亡後にお金を残す人がいない人
独身もしくは扶養されている立場などで扶養家族がいない方、自分の死亡後にお金を遺す人がいないという方は、死亡保障は不要といえます。病気やケガに備えておくとよいでしょう。
5.加入するときの注意点
生命保険加入を決めた場合、何に注意するのか確認しておきましょう。
5-1.目的に合った生命保険に入る
生命保険に入る際は目的に合った保険を選ぶことが重要です。例えば、入院したときの保障が欲しい方が死亡保障の生命保険に入っても必要なときに給付金は受け取れません。
目的に合った生命保険に入るためには、種類と保障内容を知っておかなければなりません。以下の記事で生命保険の保障内容や選び方について学んでおくことをおすすめします。
また、生命保険には、保険料が一定で保障が終身続く「終身タイプ」、保障が定められた期間で終わり、その後は更新がある「定期タイプ」があります。ちなみに定期タイプの場合、一般的に保険料は更新時の年齢で決まるのが特徴です。生命保険を検討する際は、終身タイプと定期タイプのどちらなのかも必ずチェックしてください。
関連記事|生命保険を選ぶコツ!自分にあった保険の選び方をわかりやすく解説
5-2.必要な保険金・給付金額を考える
死亡保障やがん保険など、入りたい生命保険が決定したら金額も考えましょう。以下のことを参考に自分に必要な金額を決定してください。
家族の状況から必要な保障額を考える
まずは、万一のときに、どのくらいの金額が不足するかどうか考えましょう。
また、不足しそうな金額だけでなく、「小さい子どもがいて配偶者がフルタイムで働けない」「今後10年程度は学費がかかりそう」「親の介護が発生するかも」など、家族の状況も見ながら必要な金額を決めましょう。
支払額を確認する
生命保険は保障が大きくなるほど毎月の支払額が高くなります。金額はもちろんのこと、無理せず支払えるかどうかも必ず確認しましょう。
6.まとめ
日本は社会保険制度が整っている国であるため、「生命保険は不要」と考える方もいるようです。また、「貯蓄があるから生命保険はいらない」という意見もあります。しかし、先進医療の費用、公的保険の対象外となる治療は自己負担となるため、健康保険ですべてカバーすることはできません。また、貯蓄を別の目的に利用したいのであれば、手をつけず残した方が妥当です。
以上の点から見ると、生命保険には入っておいた方がよいといえます。検討する際は、種類や金額などもしっかりチェックしてから加入する生命保険を決めることが大切です。
※上記は一般的な内容です。保険の種類や呼称、保障内容等は商品によって異なりますので、実際にご加入いただく際は商品詳細をご確認のうえご契約ください。
【執筆・監修】
田尻 宏子 (たじり ひろこ)
- 2級FP技能士
- 証券外務員第一種
証券会社営業、生命保険会社営業サポート、銀行コールセンター等複数の金融機関で勤務した後、2016年末からライターとして活動開始。現在は、主に投資・保険・不動産・ローンなどのジャンルを中心に金融系サイトで執筆中。
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