住宅ローンを組んだら保険の見直しどき!生命保険の見直し方や注意点について解説

掲載日:2023/11/06

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マイホームの購入にあたり、住宅ローンを利用する方も多いでしょう。住宅ローンを組む際は、原則として「団体信用生命保険」への加入が必須ですが、団信と加入中の生命保険と保障内容が重複する可能性があります。そのため、住宅ローンを組む際は、保険の見直しがおすすめです。

今回の記事では住宅ローンを組んだら生命保険を見直すべき理由と、見直す際の注意点などについてお伝えします。

この記事のポイント

  • 団信への加入に伴い、生命保険の必要保障額が減少する
  • 加入中の生命保険の保障内容と重複していないか確認する
  • 団信だけですべてをカバーできるわけではない

1.なぜ住宅ローンを組んだら生命保険を見直すべきなのか?

住宅ローンを組む際は原則として「団体信用生命保険(以下、「団信」)」へ加入しなければなりません。団信は死亡保険の一種であるため、すでに加入している生命保険に加入している場合、保障内容が重複する可能性があるのです。

よって、保障内容の重複を防ぐためにも、住宅ローンを組んだ際は生命保険を見直すとよいでしょう。ここでは団信の概要と見直すべき理由について詳しく解説します。

1-1.住宅ローン契約時には団信への加入が必須

団信とは、住宅ローンを借りた人が死亡または高度障害状態に該当したとき、住宅ローンの残債が免除される保険のことです。住宅ローンの支払いが免除されることによって、家族が残りの返済を気にすることなく住宅に住み続けられます。

団体信用責任保険の仕組み。死亡・高度障害状態になった場合、ローン残高を全額返済

団信があれば遺族は住宅ローンの返済を免除されるため、継続的な支出となる住居費の大部分を負担せずに済みます。よって、すでに加入している生命保険で住居費までカバーできるほどの死亡保障額を設定している場合、その金額を減額することができるでしょう。

一方で、団信はあくまでも住宅ローンの残債を一括返済にすることに限られるため、遺された家族の生活費が保障されるわけではない点に注意が必要です。

団信の加入を機に生命保険を見直す際は、支出全体を踏まえて必要保障額を把握し、保障額を設定しましょう。

1-2.団信の加入により必要保障額が減少する

先述したように、団信の加入によって生命保険と保障内容が重複する可能性があるほか、重複していた場合には必要保障額が減少します

たとえば、生命保険へ加入した時点で賃貸に住んでいた場合、万一の場合の保障に家賃を含めた保障額を設定している人も多いのではないでしょうか。そうしたケースにおいて団信加入後も保障を見直すことなく継続してしまうと、家賃分の保障額が過剰となってしまうかもしれません。

団信加入時に保険を改めて見直すことで、家賃分の保障額といった無駄な出費を抑えられるでしょう。

2.団信加入に伴う生命保険の見直し方

ミニチュアの家と電卓を打ちながら書類にメモしている2人の人の手元のイメージ

団信に加入した際は生命保険を見直すことが大切だとお伝えしましたが、具体的にどう見直せばいいのかと思う方も多いでしょう。ここでは、団信加入に伴う生命保険の見直し方について解説します。

2-1.必要保障額を算出する

団信への加入によって必要保障額が減少する可能性があるとお伝えしましたが、ここでいう「必要保障額」とはローン契約者に万一の事態があった場合に、遺された家族に必要とされる金額のことをいいます。

必要保障額は以下の計算式によって算出可能です。

遺族の支出額-遺族の収入額=必要保障額

上記のうち、すでに加入している保険で「住居費(家賃)」をカバーしていた場合、団信の加入によって当該部分の保障が不要となります。ただし、修繕費や固定資産税などは引き続き支払いが生じるため、必要保障額を見直すことが大切です。

また、必要保障額はライフステージによっても変動するため、算出時は「末子が独立するまでの生活費を備えたい」「夫が定年退職する予定の年まで備えたい」といったように期間を決めるとよいでしょう。

2-2.その他保障の重複がないかもチェック

金融機関によっては、団信に三大疾病特約やがん特約を付帯できる場合があります。団信加入時にそうした特約を付帯する場合、加入中の医療保険やがん保険の保障内容と重複していないかどうかを確認するとよいでしょう。また、住宅ローンの返済期間中に特約付帯の有無は変更できない点に注意が必要です。

なお、団信に特約を付帯すると保険料が割高になるケースもあるため、単体の生命保険に加入した方がよいのか、特約を付帯した方がよいのかという点も事前に検討することをおすすめします。

3.団信の加入により生命保険を見直す際の注意点

ミニチュアの家と電卓のイメージ

ここでは団信の加入により生命保険を見直す際の注意点を、3つ紹介します。

3-1.団信だけでは長期の治療や療養に備えられない

団信で給付金が支払われるのは死亡および高度障害状態が主です。治療が短期間で終われば有給休暇や傷病手当金といった制度の活用や、貯蓄を切り崩すことで対応できるかもしれません。しかし、治療や療養が長期に及んだ場合、返済の免除がないことに加え、給付金の支払いもないとなれば非常に苦しい状態に置かれることは確かでしょう。そのため、団信だけで大丈夫だと既存の保険を安易に解約するのではなく、それぞれの保障内容を加味したうえで考えることが大切です。

病気やケガによる治療・療養に備える保険を検討したい場合は、こちらのコラム をチェックしてみてくださいね。

関連コラム:生命保険を選ぶコツ!自分にあった保険の選び方をわかりやすく解説

3-2.夫婦で住宅ローンを組んでいる場合は、返済免除にはならない

住宅ローンの「連帯債務型」を利用して住宅ローンを借りている場合、主債務者しか団信に加入することができません。 そのため、万が一連帯債務者が亡くなった場合でも返済が免除とはならず 、主債務者の負担が増加してしまいます。なお、連帯債務型とは収入合算のひとつで、夫婦の収入を合算して住宅ローン審査にかける タイプを指しており、連帯債務型においては片方が「主債務者」、もう一方が「連帯債務者」として同等に住宅ローン債務を負うのが特徴です。

また、昨今では共働きの世帯が増加していることもあり、妻が亡くなった場合に遺族厚生年金が受取れないケースも少なくありません。具体的には配偶者の前年の収入が850万円以上または所得が655万5,000円以上あると受給資格がなくなってしまいます。

そのため、連帯債務者である妻も死亡保険に加入しておくなどといった対策を講じておくことをおすすめします。死亡保険の目安ですが、生命保険文化センターが公表した「令和3年度 生命保険に関する全国実態調査 」によれば、配偶者の普通死亡給付金は全生保平均で692.4万円となっています。地区や年齢、世帯の状況によっても金額は異なりますが、目安のひとつとして覚えておくとよいでしょう。

3-3.団信の保障期間が終了した後、保障が不十分になる場合も

団信の保障期間は住宅ローンの完済とともに終了してしまいます。そのため、団信以外の保険に加入していなかった場合、住宅ローン完済後は十分な保障を受けられなくなってしまう恐れがあるでしょう。また、住宅ローンを完済していなくても、団信の契約内容によっては一定の年齢で保障が終了する旨を定めているケースがあるほか、支払いが滞ってしまった場合にも保障が終了してしまいます。

そのため、保障を団信だけに依存するのではなく他の保険とあわせて加入し、保障内容を充実させるようにしましょう。

4.住宅購入時は保険を見直すチャンス

今回の記事では、住宅購入が保険を見直すチャンスとなる理由や、見直す際の注意点などについてお伝えしました。すでに加入している生命保険の保障内容や必要保障額を見直すことで、保険料の節約につなげられるかもしれません。

また、生命保険は加入したからといって終わりではなく、ライフステージに合わせて見直していくことが大切です。今自分がどういった状況に置かれていて、何に対してどのくらい備えたいのか、目的を明確にしたうえで見直しを進めるようにしましょう。

※上記は一般的な内容です。保険の種類や呼称、保障内容等は商品によって異なりますので、実際にご加入いただく際は商品詳細をご確認のうえご契約ください。

【執筆・監修】

おりせ ゆりの写真

織瀬 ゆり(おりせ ゆり)

元信託銀行員。AFP・ 2級FP技能士をはじめ、複数の金融・不動産資格を所持。それらの知識をもとに、「初心者にもわかりやすい執筆」を心がけている。2児の子育て中でもあり、子育て世帯向けの資産形成、女性向けのライフプラン記事を得意とする。

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