20代は生命保険に入るべき?保険の加入率やおすすめの選び方をご紹介
掲載日:2022/09/16
20代は、学生から社会人となり、生命保険の加入を意識しはじめるころ。しかし、「生命保険は、本当に必要なの?」と、悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、「そもそも生命保険は何のためにあるのか」といった基本的な知識をはじめ、気になる20代の生命保険加入状況や、ライフステージ別に加入を検討したい商品などをご紹介します。
今の自分に保険は必要なのか、必要ならどんな保険に入るべきなのかを、ご自身で判断する参考にしてください。
- 20代の半数以上が何らかの生命保険に加入
- 入るべき生命保険は世帯の形態によって異なる
- 20代で保険に入ると安くなるのは事実
目次
1.20代で知っておくべき生命保険の基本と種類
まずは、生命保険とはどのようなものかをご説明します。
1-1.生命保険の基本と種類
生命保険とは、死亡・病気・ケガ・介護など、自分に万一のことがあったときに不足する費用をカバーするための保障です。
つまり、貯蓄(いつでも使える緊急用のお金)が十分にある人なら生命保険は必要ないといえますが、80%を超える人が生命保険に加入していることから、多くの人が「万一のときのお金に不安がある」と考えていることがわかります。
また、ひと口に生命保険と言っても、目的別に複数の種類があり、加入率もそれぞれ異なります。
生命保険のおもな種類と加入率
このなかでも加入率が高いのは、死亡保険、医療保険、ガン保険。それぞれ一体どのような保険なのでしょうか。
死亡保険とは、被保険者(保険の対象になる人)が死亡したときや高度障害状態になったときに保険金が支払われるものです。
医療保険は、病気やケガによる手術・入院に対して保険金が支払われます。必要に応じて、3大疾病、女性疾病、ガンなど、特定の病気に対する保障を手厚くすることもできます。
そしてガン保険は、医療保険のひとつで、ガンと診断されたときやガンの治療に対してのみ保険金が支払われます。ただし、ほとんどのガン保険には待ち期間があり、加入から90日または3ヶ月以内にガンと診断された場合は、契約が無効となるのが一般的です。
なお、死亡保険には、基本の形として「定期」「終身」「養老」の3タイプがあります。
生命保険の基本の3形態
定期保険は、「10年」あるいは「55歳まで」といったように、保障が必要な期間が決まっている場合に適しています。
終身保険は、一生涯続く保障がほしい人や、万一のときに確実にお金を受取りたい(遺したい)といった人の要望に応える保険の形です。
また養老保険は、満期保険金を受取れるのが特徴で、万一の保障を得つつ、将来迎える明確な目的のために計画的な資金準備をしたいときに向いています。
このように、生命保険は目的やニーズによって、自分に合ったものに加入できるようになっています。
では、実際にどのくらいの人が生命保険に加入しているのでしょうか?
1-2.生命保険の加入率
生命保険文化センター「令和元年度 生活保障に関する調査」によると、20代で生命保険に加入している割合は、男性で58.5%、女性で59.9%。半数以上は何らかの生命保険に加入しています。
加入件数の平均は男女とも1.3件で、年間の払込保険料の平均は男性14.7万円、女性11.4万円。月々1万円前後で1~2件の保険に入っている計算です。
もう少し細分化して、死亡保険と医療保険の加入状況もみてみましょう。
20代は、死亡保険よりも医療保険の加入率が高いことがわかります。20代は「ケガや病気」「老後生活」「死亡時の遺族の生活」「自分の介護」の4項目のうち、ケガや病気への不安が最も大きいという調査結果もあることから、医療費の備えとして保険に加入している20代が多いといえるでしょう。
ちなみに、医療費への備えを考えるときには、公的な保障もあることを忘れてはなりません。
医療費の支払いには、公的保障も活用できる
健康保険に加入している人なら誰でも利用できる「高額療養費制度」では、同月内の医療費のうち、自己負担額の上限(年齢や所得により異なる)を超えたぶんの金額が戻ってきます。また、健康保険に加入していれば、休職の際に「傷病手当金」として標準報酬月額の2/3が最長1年半まで給付されます。
しかし、公的保障では全てをカバーすることは難しく、入院時の1日あたりの自己負担額(高額療養費を利用した場合は利用後の金額)は平均で23,300円、1日あたりの逸失収入額は平均で19,500円発生しています。
入院中に自費となるのは、おもに以下のような項目です。
- 先進医療にかかる技術料
- 保険適用外の診療費・治療費
- 日用品代
- お見舞いのお返し代
- 家族の交通費 …など
また、1人部屋を選ぶとさらに費用が高額になるほか、月をまたいで入院した場合、総額の医療費は高額でも各月では自己負担限度額に達しておらず、高額療養費制度の対象外に…なんてこともあります。
FPのひとことQ&A
Q:結局、医療保険は20代で加入すべき?
A:医療費を支払える貯蓄が十分にあるかどうかで判断しましょう。
医療費が必要になった場合に使える貯蓄がない人や、貯蓄を切り崩したくない人、あるいは保険適用外の治療も選択できるようにしておきたい人は、医療保険に加入しておくのがおすすめです。 逆に、「いきなり医療費が必要になっても問題なく貯蓄で支払える」という人は、今すぐ加入する必要はないといえます。
2.20代ではどんな生命保険を選ぶべき?
20代の生命保険の選び方は、家族構成で変わってきます。ご自身の該当するケースをチェックしましょう。
▼自分に当てはまるケースへジャンプする
【ケース1】独身の場合
20代独身の場合、医療保険への加入がおすすめです。
一般的に20代は貯蓄がまだ十分ではないため、病気やケガで入院した際の支出増・収入減に備えて保険に加入しておくことをおすすめします。
また、自身が死亡したときに生活に困る配偶者や子ども・親族がいない場合、死亡保険の優先度は低いでしょう。しかし、遺族に葬儀費用などの死亡整理金を用意しておきたい場合は、少額の死亡保険に加入しておくのも選択肢のひとつです。
・独身におすすめの保険 … 医療保険
【ケース2】既婚(片働き/共働き)
20代の既婚者の場合は、死亡保険と医療保険に加入しておくことをおすすめします。
特にどちらかが死亡したとき、遺された配偶者が生活に困らないようにするために、死亡保険への加入をおすすめします。夫婦が共働きであれば大きな保障は不要かもしれませんが、どちらか一方のみが働いて家計を支えている場合は、遺された配偶者が働く可能性も考慮したうえで、しっかりとした保障を準備しておきましょう。
死亡保険は、「必要保障額」に応じて保険金額を決めます。必要保障額とは、遺族の支出から遺族の収入を差し引き、不足する金額のことです。
必要保障額はライフプランによっても変わるため、家族で話し合っておくことが大切です。保険料の過不足が発生した場合、保険料の無駄や生活の困窮につながってしまうので注意しましょう。
またケガや病気をして医療費が発生した場合や働けなくなった場合の備えとして、医療保険に加入しておくこともおすすめです。
・既婚におすすめの保険 … 死亡保険、医療保険
【ケース3】子どもがいる家庭
20代で子供がいる家庭の場合、死亡保険・医療保険に加入しておくことをおすすめします。
生活費が増え、学費の準備も必要になるのが子育て世帯の特徴です。子どもひとりを育て上げるには、公的保障で受取れる金額を差し引いても、働き手が死亡したときには相応の額を遺してあげなくてはなりません。
子どもが生まれたとき(末子が生まれたとき)が死亡保険の必要保障額のピークとなり、年々必要保障額は減っていきます。一定期間だけ手厚い保障があればよいので、割安な保険料で大きな保障を得られる「定期保険」で備えるのがおすすめです。
・子どもがいる家庭におすすめの保険 … 死亡保険、医療保険
FPのひとこと解説:自営業者について
会社員や公務員は働けなくなると傷病手当金が受取れますが、自営業者の国民健康保険には傷病手当金のような制度はありません。収入がいきなりゼロになってしまうこともあるので、就業不能保険をプラスすることも検討しましょう。
3.20代の生命保険のQ&A
ここからは、生命保険にまつわる20代のよくある疑問をピックアップして解説していきます。
Q1.20代で生命保険に入ると保険料が安いって本当ですか?
A:本当です。
一般的に年齢が若いほど死亡リスクや健康リスクが低いため、保険料は安く設定されていることが多いです。加入時の年齢が上がるほど保険料は高くなっていき、傷病歴によっては加入を断られたり、割増保険料が必要になったり、保障が限定的になったりもします。
Q2.男女で入るべき保険は変わりますか?
A:保険は、性別で変わるものではありません。
万一のときに家族に与える経済的な影響の大きさや、働き方、資産状況、ライフプランなどによって、備えたい保障が変わってくるものだと念頭に置いておいてください。
なお、医療保険には、乳ガンや子宮筋腫、出産合併症など、女性特有の病気に対する保障を手厚くした商品もあります。備えたい保障を考え、検討しましょう。
Q3.シングルマザー/ファーザーの場合の生命保険のおすすめは?
A:子どもがいるご家庭で、家計を支える方が一人になるため、死亡保険は検討すべきでしょう。
生命保険の中でも、必要な期間だけ備えられ、保険料が抑えられる定期保険。もしくは、毎月給付金が受取れ、保険料が割安な収入保障保険もおすすめです。
また、働けなくなったときの収入減には、医療保険や就業不能保険なども適しています。ただし、保険料の支払いで日常の家計を圧迫してしまわないように注意してください。
保険の内容も大切ですが、同時に使い道を制限されない「貯蓄」をつくることも、保険を検討するうえでは重要なポイントになります。
4.20代におすすめの生命保険
最後に、20代におすすめの生命保険のまとめとその例をご紹介します。
20代でも独身・既婚に関わらずいつ病気やケガで入院・手術をすることになるかわからないため、生命保険の中でも特に「医療保険」に加入しておくことがおすすめです。
また中でも、病気やケガで長期入院することになったときの備えを厚くしておきたいところ。長期入院になるほど経済的な負担が大きくなるので、支払限度日数は長くしておくと安心です。
こうしたポイントを踏まえて、チューリッヒ生命保険の商品のなかで20代が検討すべき要素が入った「終身医療保険プレミアムZ」の加入内容例をご紹介します。
保険料と払込期間 |
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保障内容 |
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上記のような保障内容を参考にしながら、自分に合った生命保険を探してみてくださいね。
5.まとめ
若いうちは生命保険の必要性を感じにくいかもしれませんが、貯蓄が十分でないときほど保険は心強いお守りになります。
20代で健康状態に問題がなければ、安い保険料で保障を得ることができるので、早い段階から加入することをおすすめします。
生命保険の必要性は、ひとりひとり異なるものです。「みんな入っているから」「すすめられたから」といった理由ではなく、「何のために入るのか」をしっかりと把握したうえで、自分にあった保険を検討するようにしてください。
※上記は一般的な内容です。保険の種類や呼称、保障内容等は商品によって異なりますので、実際にご加入いただく際は商品詳細をご確認のうえご契約ください。
【執筆・監修】
佐久間 翠(さくま みどり)
- 2級FP技能士、AFP
- 証券外務員1種
ファイナンシャルプランナー/ライター。証券会社のオペレーターや生命保険会社でファイナンシャルアドバイザーを務める。その経験を活かして、2016年からフリーライターとしてマネー系記事を中心に執筆。
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