死亡保険は掛け捨て・終身(貯蓄)どちらにすべき?自分に合った保険を選ぶコツを解説
掲載日:2022/12/07
死亡保険には、「掛け捨て型」と「貯蓄型」の2つの種類があります。多くの人が「どちらがお得?」と悩む部分ではないでしょうか。
そこでこの記事では、掛け捨て型と貯蓄型の特徴を紹介しながら、ご自身に合ったタイプの選び方をご紹介します。
- 掛け捨て型か貯蓄型かは目的に合わせて選ぶ
- ライフイベントごとに保険を見直す
- 資産形成は保険以外の金融商品も活用する
目次
1.死亡保険は掛け捨てと貯蓄(終身)、どちらを選ぶべき?
掛け捨て型と貯蓄型はそれぞれ特徴や強みが違うので、何を優先するかによって選ぶべきタイプが異なります。
貯蓄型は、保障分に加えて貯蓄分の保険料を支払うというものです。保険期間中に死亡した場合には保険金が受取れて、元気に過ごした場合も解約時や満期時には戻ってくるお金がありますが、その分掛け捨て型よりも保険料は割高になります。
掛け捨て型は、保障分の保険料だけを支払うものです。解約時や満期時には基本的にお金が戻ってきませんが、そのぶん保険料は割安です。
一般的に保険期間が一定期間で終了する「定期タイプ」の死亡保険には掛け捨て型と貯蓄型の両方があり、保障が一生涯続く「終身タイプ」の保険は基本的に貯蓄型となっています。
このように異なる特徴があるため、掛け捨て型か、貯蓄型かは目的に合わせて選ぶことが大切です。また、ライフイベントごとに保険を見直すことも、必要な保障の過不足が起こらないようにするための重要なポイントとなります。
掛け捨て型と貯蓄型のそれぞれの特徴について、より詳しく解説していきましょう。
1‐1.掛け捨て型の保険は、安い保険料で大きな保障を確保できる
掛け捨て型の保険は、毎月の保険料を抑えながら、万一に備えるための保険です。
保険料が割安なのが大きなメリットですが、以下のようなデメリットもあります。
・解約返戻金や満期保険金がない(あってもごくわずか)
・更新型の場合は、更新のたびに保険料が高くなる
こんな人/こんな状況におすすめ
・一定期間だけ手厚い保障が必要な人
・保険料の負担を抑えたい人
・死亡により不足するお金を貯蓄でカバーするのが難しい場合
掛け捨て型の保険の主な種類
掛け捨て型の主な死亡保険は「定期保険」や「収入保障保険」です。
収入保障保険は徐々に保険金額が減っていくため、定期保険よりもさらに保険料が割安になります。保険期間が定期の保険には、10年・20年といった「年満了」と、60歳・65歳といった「歳満了」という2つの満期の決め方があり、年満了は更新できますが、歳満了は更新できないので注意してください。
一般的に保険期間が短いほうが保険料は安くなりますが、更新するときはその時点での契約者年齢で保険料が再計算されるため、更新のたびに保険料は高くなっていきます。
無駄なく保険に加入するには、「まずは10年でいいか」と適当に決めるのではなく、あらかじめ「いつまで」「どれくらい」の保障が必要なのかを明確にしておくことがポイントです。
1-2.貯蓄型の保険は保障を得ながら将来の資金準備もできる
貯蓄型の保険は、将来に向けた資産形成ができる保険で、おもに以下のようなメリットがあります。
・万一の事態が起きなくてもお金(解約返戻金や満期保険金)が受取れる
・商品によっては解約返戻金を元にお金を借りることができるものもある
ただしその分、他のタイプの保険と比べると保険料が高いという点がデメリットとして挙げられます。また、「保険料を払える余裕がない」などの理由で途中解約した場合、時期によっては支払った保険料よりも戻ってくるお金が少なくなることや、解約した時点で保障も消滅する点にも注意しましょう。
こんな人におすすめ
・保障を確保しつつ、将来のライフイベントの資金準備もしたい人
・貯蓄や投資が苦手な人
・相続対策として活用したい人
貯蓄型保険の主な種類
貯蓄型の主な死亡保険には、終身保険や養老保険があります。
終身保険の保険料の支払い方は「終身払い」と「有期払い」があり、終身払いは生きている間ずっと保険料を支払い、有期払いは早めに保険料を支払い終える方法です。
有期払いは働いている期間に保険料を支払い終え、リタイア後は保険料の心配をせずに保障を確保することができます。終身払いより有期払いのほうが、毎月の保険料は高くなります。
FPのひとこと解説:資産形成はバランスよく
資産形成は本来、ほかの金融商品も組合わせて行うのがベスト。
貯蓄型の保険で将来受取れる解約返戻金や満期保険金は、加入時に金額が固定されてしまう(利率変動型保険を除く)ため、物価が上昇した場合の未来では大幅な資金不足になる可能性があります。
貯蓄・保険・投資と、商品の特性を活かしてうまくお金を分散することが、効率的な資産形成のコツとなります。
繰り返しになりますが、このように掛け捨て型と貯蓄型はそれぞれ特徴や強みが違うので、何を優先するかによって選ぶべきタイプが異なります。必ず目的に合わせて選ぶようにしましょう。
2.自分に合った死亡保険の選び方
では実際にどのように保険を選べばよいか、少し具体的にご紹介します。
2-1.掛け捨て型はどう選ぶ?
掛け捨て型の死亡保険に加入するのは、お金がかかる子育て期の「死亡時に起こる資金不足への備え」が主な目的となるでしょう。
末子が独立するまでの期間が必要な保険期間の目安になります。10年ごとに更新するタイプや、60歳や65歳満期にするなどさまざまな方法がある(保険会社や保険商品による)ため、家族のライフプランに沿って保険金額と保険期間を決めましょう。
必要な保障額は、貯蓄額と公的制度で受取れるお金の額を差し引いて、不足分を補えるように設定することが大切です。
FPのひとこと解説:「特約」は本当に必要なものを
保険会社や保険商品によって付加できる特約の種類や選択できる保険期間など細かい違いがあるので、保障内容はしっかりと確認し、要望にマッチした保険を選ぶようにしてください。
また、特約を付ければ付けるほど保険料は高くなるので、本当に必要な特約かどうか検討が必要です。
2-2.貯蓄型はどう選ぶ?
貯蓄型の死亡保険に加入するのは、教育資金・老後資金・住宅リフォーム資金・葬式費用・相続など、「将来のライフイベントのための資金準備」が主な目的となります。ライフイベントの時期や必要な資金額に合わせて、保険期間や保険金額を設定していきましょう。
ただし、貯蓄型の保険は保険料が割高なので、長期に渡って保険料が払い続けられるかも重要なチェックポイントです。
また、終身保険の場合、生存中に保険を途中解約して資金に充てることもできるので、「返戻率」にも注目しましょう。
貯蓄型保険の返戻率とは?
返戻率とは、解約返戻金と払込保険料の割合です。 返戻率が100%以上なら解約時に払い込んだ保険料より多くの解約返戻金を受取れます。ただし、基本的に保険料払込期間中の解約返戻金は払込保険料より少なくなるので早期解約には注意が必要です。
満期がある保険は満期に近づくほど返戻率が高くなり、終身保険は保険料払込期間満了後に加入し続ける期間が長いほど返戻率が高くなっていきます。
FPのひとこと解説:貯蓄型の保険にも種類がある
貯蓄型の保険には「従来型」と、「従来型」と比較し保険料の払込期間満了前に解約した場合の解約返戻金の金額を低く設定している「低解約返戻金型」の2種類があります。「低解約返戻金型」の保険料は、払込期間満了前の解約返戻金の金額を低く設定している分、「従来型」と比べて割安になります。
3.まとめ
安い保険料で大きな保障額を得られる掛け捨て型と、保険料は高くても必ずお金を受取れる貯蓄型では、それぞれに強みが異なります。
さらに、掛け捨て型の死亡保険には「定期保険」や「収入保障保険」、貯蓄型の死亡保険には「終身保険」や「養老保険」があります。
保険選びで大切なのは損得よりも、「目的に合わせて選ぶ」こと。目的を明確にして保険に加入することが、無駄をなくす方法だということを忘れないようにしましょう。
※上記は一般的な内容です。保険の種類や呼称、保障内容等は商品によって異なりますので、実際にご加入いただく際は商品詳細をご確認の上、ご契約ください。
【執筆・監修】
佐久間 翠(さくま みどり)
- 2級FP技能士、AFP
- 証券外務員1種
ファイナンシャルプランナー/ライター。証券会社のオペレーターや生命保険会社でファイナンシャルアドバイザーを務める。その経験を活かして、2016年からフリーライターとしてマネー系記事を中心に執筆。
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