女性向け医療保険は入るべき?一般的な医療保険との違いと仕組み

掲載日:2023/03/17

女性がソファに横になっている画像

「女性保険」とも呼ばれる女性向けの医療保険。なぜわざわざ女性用の保険はあるのでしょうか。この記事では、通常の医療保険との違いや女性向け医療保険が担う役割について解説し、入るべきかどうかについて言及していきます。

この記事のポイント

  • 女性向け医療保険は女性疾病のとき給付金が上乗せされる
  • 保障が手厚くなるぶん、保険料も高くなる
  • 妊娠中は加入できない場合や保障に制限が付く場合がある

1.女性向け医療保険とは?

女性向け医療保険はその名のとおり、「女性専用」の医療保険です。医療保険は、ケガや病気で入院・手術をしたときに給付金を受取れます。医療費だけでなく、働けない間の収入減を補ったり、公的医療保険適用外の費用に備えたりすることもできます。

女性向け医療保険には、女性疾病保障自体が主契約のものと、一般的な病気やケガを保障する医療保険に女性疾病(女性特有の病気や女性がかかりやすい病気)への保障が付加されているものがあります。

この記事では、主流である「通常の医療保障に女性疾病保障を付加するタイプ」について詳しく解説していきます。まずは大まかな仕組みをみておきましょう。

女性向け医療保険の仕組み

主契約の入院日額が5,000円で、女性疾病特約の入院日額が5,000円のプランを例にします。1日あたりの入院給付金は、一般的なケガや病気が原因なら5,000円ですが、女性疾病が原因だと10,000円に増額します。このように、女性疾病で入院・手術をしたときには、通常の保障に女性疾病の保障が上乗せされ、手厚い保障が受けられるようになっているのが特徴です。

2.一般的な医療保険との違い

通常の医療保険では女性疾病は保障されないのかというと、そんなことはありません。一般的な医療保険との大きな違いは、「女性疾病のときに保障が手厚くなるかどうか」です。出産祝金が出る商品もあるなど、女性向け医療保険だからこその+αがあったりしますが、同じ保険会社の通常の医療保険と女性向け医療保険であれば、保障対象となる病気やケガの範囲は基本的に一緒です。

女性向け医療保険は、対象となる女性疾病が原因の入院・手術で入院給付金や一時金が増額するぶん、保険料はやや割高になります。しかし、通常の医療保険で日額を上げて、全てのケガや病気に対して保障を手厚くするよりは保険料は割安になります。女性疾病のリスクに不安がある(乳ガンにかかる人が多い家系など)人、女性疾病のときに多くの保障が欲しい人など、「女性ならではの病気にしっかりと備えたい人」向けの商品です。

また、医療保険のなかには、一定期間給付金の支払いがなかったときに健康お祝い金などの給付金を受取れる商品があります。女性向け医療保険では、出産時に祝金が出る商品も。ただし、これらの「元気でも受取れるお金」を受取るためには、そのぶん多くの保険料を払う必要があることを念頭においておきましょう。

※チューリッヒ生命の終身医療保険プレミアムZ Ladyに付加できる健康還付給付金特約は、一定期間に継続して10日以上の入院給付金が支払われなかったとき、その期間中に払い込んだ特約保険料の総額より、健康お祝い金で受取れる金額の方が高くなります。詳細は終身医療保険プレミアムZ Ladyのページをご確認ください。

自分の求める保障内容と保険料のバランスを考えて保険を選ぶことが大切です。

3.女性向け医療保険で手厚く保障される病気

女性疾病に該当する病気の一例をみてみましょう。

女性疾病の一例

子宮筋腫や乳腺症といった女性特有の病気や、乳ガンや子宮頸ガン、そのほか一般的なガンも女性向け医療保険で手厚く保障されているのが一般的です。しかし、乳ガンのホルモン療法、乳房再建術、先進医療などは、保障の対象になるかどうかが商品によって異なります。

同様に、上皮内新生物の扱いも商品によって異なるので注意が必要です。上皮内新生物とは、「上皮=粘膜の表面部分」に留まっているステージ0のガンのこと。転移がなく、完全に取除けば完治が可能なので、治療費はそれほどかかりません。

厚生労働省の「ガン登録 平成31年(令和元年)」 によると、ガンと診断された人のうち上皮内新生物と診断される割合は10%程度ですが、子宮では約半数、子宮頸部では7割を超える人が上皮内新生物と診断されています。

不安な病気や気になる治療法・手術があるのであれば、保障の対象になっているかどうかを必ず確認するようにしてください。

妊娠・出産における入院・手術については、あくまでも合併症や異常分娩など、「トラブル」が起きたときのみ保障の対象となります。正常分娩は病気ではないので、給付金は出ないことを覚えておきましょう。

4.女性向け医療保険には入るべき?

女性疾病のときだけ保障が手厚くなる女性向け医療保険ですが、必要なのかどうか気になる人も多いですよね。一体どのようなときに女性向け医療保険が役に立つのでしょうか。

加入を検討したい理由として、主に次の2点が挙げられます。

・女性の入院や通院は、長期になることもある

・公的医療保険適用外の治療や費用がある

入院が長期化しがちなのは、例えば神経系の病気です。厚生労働省の「患者調査(令和2年)」 によると、女性の平均入院日数は男性よりも1ヶ月以上長くなる傾向があることが分かっています。

切迫早産や多胎妊娠での管理入院も、1~3ヶ月の長期入院になることがあります。入院中に個室や少人数部屋を希望する場合は、保険適用外の差額ベッド代がかかってくるので、資金の準備が必要です。

また、乳ガンは入院期間が短いものの、放射線治療や抗ガン剤治療のための通院期間は3~6ヶ月程度 となります。治療中は体調不良や手のしびれが起こりやすく、日常生活や仕事への影響も想定されます。

家事や育児を担っている女性が、入院した場合や普段通りの生活ができない場合、ほかの家族が代わりをするのが難しければ、家事代行サービスやシッターサービスの利用も必要になるでしょう。働いていれば入院中や自宅療養中の収入減にも備えなければならず、長期にわたり家計に負担がかかります。

4-1.女性だからこそ備えておきたいお金

ガン治療では、外見(髪、眉毛、まつ毛、爪、肌など)の変化に対してのケアも必要です。髪の脱毛が起こった場合、生えそろうまで医療用ウィッグを使用するのが一般的ですが、保険適用外のため費用は自己負担です。ウィッグは、素材や既製品かオーダー品かなどによって数万円から数十万円以上と価格の幅があるため、選択するものによっては費用負担が大きくなることも。最近注目されている脂肪注入による乳房再建も、保険適用外の再建方法に該当するため、高額な自己負担が発生する可能性があります。

このように、女性だからこそ備えておきたいお金があります。希望する治療やケアをお金のせいで諦めなくていいようにサポートできるのが女性向け医療保険の強みです。女性疾病への不安が大きい人は、女性向け医療保険が心強いお守りになるでしょう。

4-2.医療保険はいつ入る?

ここで女性特有の病気の一例として、乳ガン、子宮ガン(子宮頸ガン+子宮体ガン)、卵巣機能障害、子宮筋腫、子宮内膜症の患者数のデータをみてみましょう。

20代で最も高リスクなのが、卵巣機能障害(月経不順や排卵障害など、不妊症の原因のひとつ)。
子宮系の病気は40代以降リスクが下がる傾向にありますが、乳ガンは50代まで上がり続け、60代~70代でも高い水準を維持しているのが特徴的です。

女性特有の病気の年代別患者数

そのため、女性特有のさまざまな病気のリスクが高まってくる20~40代のうちに、医療保険や女性向け医療保険で備えておくと安心です。また、若いうちに入っておけば、一般的に保険料が安くなるというメリットもあるため、医療保険は健康なうちに、また早い段階で加入を検討することをおすすめします。

ただし、既往歴がある場合や、妊娠中、不妊治療中、帝王切開の経験がある場合は、加入を断られたり保障が制限されたりすることがあります。保険会社によって加入条件は異なるため、申し込み前によく確認しましょう。

既に加入している医療保険やガン保険などがあるときは、保障が重複し過剰になりすぎないよう見直しもしてください。

5.まとめ

女性向け医療保険は、「女性だからこそ備えておきたいお金」をサポートしてくれる保険です。女性疾病のリスクが高い場合、女性疾病のときに手厚い保障が欲しい場合は女性向け医療保険の検討をおすすめしますが、女性だから必ず入らなければならない保険ではありません。

医療保険は不要な人、通常の医療保険が合う人、女性向け医療保険が必要な人と、何が適しているかは人それぞれです。自分にとってどのような保障がどれくらい必要なのかを見極め、保障内容と保険料のバランスを考えて保険を選びましょう。

■終身医療保険プレミアムZ Lady

チューリッヒ生命の女性向け医療保険は終身タイプなので、保険料はずっと上がらず、入院や手術に一生涯備えることができます。通常の医療保険に女性総合疾病特約を付加したもので、女性疾病や女性特有の病気やガン等による入院・所定の手術等を受けた場合に給付金が上乗せされます。ガンのホルモン剤治療のための入院や、所定の乳房再建術、上皮内新生物も保障され、特約を付けることで先進医療・患者申出療養もカバー。必要であれば、不妊治療支援給付金や出産祝金などを受取れるようにカスタマイズすることも可能です。

> チューリッヒ生命の終身医療保険プレミアムZ Ladyはこちら

【執筆・監修】

さくま みどりの写真

佐久間 翠(さくま みどり)

ファイナンシャルプランナー/ライター。証券会社のオペレーターや生命保険会社でファイナンシャルアドバイザーを務める。その経験を活かして、2016年からフリーライターとしてマネー系記事を中心に執筆。

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