日焼けによる急性の症状はもちろん、光老化を防ぐためにも日焼け対策は欠かせません。もっとも身近な対策のひとつといえば日焼け止めでしょう。UVAの防止効果を表す「PA」、UVBの防止効果を表す「SPF」を表示する商品は、いまや当たり前になっていますし、最近では、近赤外線を含めてカットすると表示している商品もあります。ただ、近赤外線は透過力が強く、日焼け止めとして有効な成分や効果などについては、まだよくわかっていない状況です。そのため、光老化を防ぐには、「日焼け止め+α」の対策が必要になります。
まずは日焼け止めの正しい使い方を覚えましょう。PA値やSPF値は、高いほど日焼けを防ぐ効果も高くなりますが、同時にその分、肌にも負担がかかりやすくなります。選ぶときには、紫外線だけでなく近赤外線カットの効果が期待できるものを選ぶのはもちろん、屋内・屋外などその日の行動内容に合ったPA値とSPF値のものを選びましょう。日常生活であればSPF20~30/PA+、夏の外出時はSPF40~50/PA+++が目安です。
日焼け止めに表示されているPA値、SPF値は、1平方センチメートルあたり2㎎を基準量として測定されています。顔全体を塗るには、液状の日焼け止めであれば1円玉2枚分、クリーム状であればパール2粒分が目安。顔だけでなく首やうなじ、耳の外側などにまで、ムラのないように塗ります。また、汗や摩擦で落ちやすいため、3時間に1回程度、塗り直すようにしましょう。
光老化を防ぐには、このように日焼け止めを適切に使ったうえで、太陽光線を物理的に遮ることが大切です。日傘や帽子を活用したり、袖や襟のついた衣服で肌を覆ったりすることを、日々の習慣にしましょう。忘れがちなのが目のケア。目に強い紫外線を浴びると角膜が炎症を起こし、皮膚を守ろうとして、シミの原因となるメラノサイトが活性化してしまいますので、有害光線をカットするレンズを利用したメガネやサングラスをかけて目を守りましょう。日傘や帽子と併用すれば、より安心です。
また、肌が荒れていると、太陽光線がより深く浸透することがあるといいます。肌のうるおいを保つケラチンや皮脂には、近赤外線を反射する働きがあるとされていますので、保湿をはじめ、日頃からしっかりと肌をケアすることも光老化対策として欠かせません。
紫外線も近赤外線も、体内で活性酸素を発生させます。その働きを抑制・除去するために、食事やサプリメントで、体内の抗酸化機能を高めることも光老化対策につながります。代表的な抗酸化物質がビタミンA、ビタミンC、ビタミンEという抗酸化ビタミン。ビタミンAは緑黄色野菜に、ビタミンCはパプリカやブロッコリーなどの野菜、レモンやオレンジなどの果物、いも類に、ビタミンEは卵、アーモンドなどの豆類、オリーブオイルなどに多く含まれています。そのほか最近では、“飲む日焼け止め”として、抗酸化ビタミンをはじめ、肌の健康に役立つ栄養素を中心に配合したサプリメントもあります。
肌をいつまでも美しく、健康に保つためには日々、身体の内と外の両方から肌のお手入れを行い、日焼け止めを塗ったり、外出時にサングラスをかけたりすることを習慣化することが大切です。日々の積み重ねで、将来の光老化から肌を守りましょう。
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