特に、机上の照度300ルクス以上という基準は、2021年12月に公布された「事務所衛生基準規則及び労働安全衛生規則の一部を改正する省令(令和 3年厚生労働省令第 188 号)」により労働衛生基準が見直され、事務所における照度の基準が変更されたものです。変更以前は、普通の作業なら150ルクス以上という基準でした。この改正は、照度不足によって生じる眼精疲労などが増えていることを示すものと言えます。
また、眼鏡をかけている人がVDT作業を行う際には、普段使っている眼鏡と、近いものを見る作業に合った眼鏡とを使い分けるのが理想的です。近視の場合は普段よりも度が少し弱め(−)、遠視の人は少し強め(+)のものがおすすめです。40歳を過ぎると、老眼によって目の調整力が低下し、ピント合わせに負担がかかり疲れやすくなるため、作業距離にあわせた眼鏡を使い分けることが特に大切です。
コンタクトレンズを装着している場合は、もともと涙の分泌が減り、また涙の蒸発が増すため、VDT作業によりドライアイになる可能性がいっそう高くなります。作業中、意識をしてまばたきの回数を増やしたり、人工涙液(目薬)で目を潤す、または眼鏡を使うことをおすすめします。
ちなみに老眼鏡をかけてもかけなくても老眼は進みます。無理して老眼鏡を使わずにいると、目の疲れはどんどんたまってしまいます。眼精疲労の予防という意味でも、適切な度数の眼鏡やコンタクトレンズを使いましょう。
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